<チームTRITON気仙沼>出航!

梅雨晴れの7月29日(水)、宮城県気仙沼市の漁師担い手育成プロジェクト<チームTRITON気仙沼>のキックオフイベントが気仙沼市みしおね横丁内 鶴亀食堂(気仙沼市魚市場前)で行われました。

宮城県石巻市で漁師の担い手育成を行ってきた「(一社)フィッシャーマン・ジャパン(以下、FJ)」が宮城県気仙沼市に進出。気仙沼市より沿岸漁業担い手対策支援事業を受託し、気仙沼魚市場前で漁師のための銭湯と食堂を運営する「(一社)歓迎プロデュース(以下、歓迎P)」、沿岸漁業を支える「宮城県漁業協同組合」とタッグを組み、漁師の担い手育成に力を注ぎます。

イベント準備中には、お坊さんから漁師に転職した日門定置網漁業生産組合の担い手漁師から見事な鯛が届けられ、歓声が上がる場面も。

午前11時開始のキックオフイベントには、宮城県気仙沼市の菅原茂市長、宮城県漁業協同組合の寺沢春彦代表理事組合長、FJの阿部勝太理事長、歓迎Pの小野寺紀子、宮城県漁業協同組合唐桑支所の畠山淳運営委員(みさご丸)らが参列。

菅原市長は「気仙沼市のアイデンティティは海にある。その思いを先の世代につないでいくために、FJはじめ、歓迎P、漁協が協力して、若い人を導いて欲しい」。続いて寺沢組合長が「宮城県の漁業経営形態数は15年前の約半数。沿岸漁業の持続的発展に対し多いに期待している」と挨拶し、キックオフイベントはスタート。

FJの代表理事を務める阿部は「漁師はすぐになれるものではない。5~10年かけてノウハウを学び、各浜の力になってほしい」。FJ事務局長の長谷川は事業説明の後、「気仙沼市のおもてなし力を基点に、労働力ではなく、地域の担い手としてチームづくりをしていきたい」と、気仙沼市との取り組みに気持ちを新たにしました。

その後、漁業担い手対策支援事業内容紹介のほか関係団体紹介が行われ、参加者が気仙沼の大漁旗を振る中、鶴亀食堂のフラッグポールに気仙沼市、鶴亀食堂、トリトンプロジェクトの旗が掲げられました。

 菅原市長や寺沢漁協組合長、阿部理事長らを囲んでのフォトセッションも、終始笑顔に溢れる和やかなキックオフイベントとなりました。

イベント終了後には、みしおね横丁の各店舗の協力により地元漁師の海産物を取り入れ、“気仙沼の海を表現した”スペシャルメニューが訪れた参加者に振る舞われ、参加者みんなが堪能。

鶴亀食堂の店舗内のメニューの張り紙には、「試しに俺の船乗ってみろ」(第十八一丸)や「一人ではできない。だから人を大切に」(第三十八みさご丸)、など早速担い手募集が掲示され、券売機には、「就漁の相談0円」の券売ボタンも新たに設置。新しい担い手がいつ来ても大丈夫な体制が整っています。

連日の豪雨で当日も雨が予想されましたが、開催時間になると晴れ間も見える穏やかな気候の中、爽やかな風に安全な航海を祈る信号旗と各団体の旗がはためき、「日本一漁師さんを大切にするまち」を目指す<チームTRITON気仙沼>の新しい船出を祝うようでした。

(文=藤川典良 撮影=Funny!!平井慶祐)

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