【宮城／漁師求人／養殖】みんなに喜んでもらえる海苔を食卓に。担い手漁師も活躍中。

近藤正昭さん（71歳）。
海苔養殖の盛んな宮城県漁協石巻湾支所の海苔部会の部長を務めたこともある、地域の海苔漁師を束ねるリーダー的存在です。

「海苔漁師のボスですね（笑）」

と、若手漁師が茶化して紹介するのも、みんなから慕われている証。
近藤さん、ちょっぴり強面ですが、ご安心ください！
家庭では、奥様とお嬢様、孫娘さんに囲まれ、やさしい笑顔をのぞかせる、良きお父さん。お茶目で人情味あふれる人柄です。

海苔養殖は、海で作業をする人、工場で製品に仕上げる人、製品として詰める人・・・と、チームに分かれているのが特徴です。出荷シーズンになると、女性陣も工場で活躍するなど、みんなでつくる一体感があります。

「小さい頃から我が家のおやつの定番は海苔。お父さんが作った海苔以外は食べない。お父さんのがいちばん！」と、娘さんがこっそり教えてくれました。

今回、近藤さんは船などで一緒に作業をしてくれる方を募集します。

漁師になって6年目の担い手の活躍。

近藤さん率いるマルマサ近藤水産では、今、5人の従業員が働いています。その中の1人、狩野倖太さん（23歳）に話を聞きました。漁師になりたいという思いから、高校卒業後、新卒でマルマサ近藤水産に入社。海苔漁師になって5年が経ち、今では近藤さんから「本当に頼もしい」と言われる存在となっています。

今では大活躍している倖太さんですが、最初は苦労することも多かったと話します。

「最初の1、2年は本当に大変でした。特に海苔の養殖で使用する網を外したり、つけたりする『移植』という仕事が本当に難しくて。やり方もあまり分からず、悪戦苦闘していました」

作業内容も大変な上に、繁忙期と閑散期がはっきりしているのが海苔養殖の特徴です。秋から冬が繁忙期にあたり、9月末から1ヶ月ほどは休みもだいぶ少なくなります。モチベーションが下がったりすることはなかったのでしょうか？

「おれ荒れてるときの海が好きで。もちろん大変ではあるんですけど、燃えてくるんですよね。負けねえぞって。全部やりきったときの達成感があるじゃないですか」

「仲間の海苔漁師の存在も大きい」と続けます。

「自分の所属はマルマサ近藤水産だけど、海苔って他の会社と合同でやる仕事も多い。違う会社の人と同じ船に乗っていくことも頻繁にあって、だんだんと仲良くなっていきます。この仕事が楽しい理由の一つですね」

9人ほどの若いメンバーで集まってバーベキューをするのが恒例行事になっているそうです。

1年目は見てるだけだった。

倖太さんからみて、どんな人がこの仕事に向いているのでしょうか。

「とりあえず仕事に負けねえ人だと思います。海苔の繁忙期だと休みはないし、覚悟してきてきてもらわないといけない。といっても、ハードルを高くしたいわけではありません。自分も1年目はやり方がわかんないから、もう見てるだけみたいな状況でしたよ」

1年目は仕事ができなくてもいい。2年目は自分のやれることをやる。3年目は仕事の流れが分かるようになった分頑張る。

「海苔は難しいこともあるけど、成長していく姿が目に見えてわかるからおもしろい」

近藤さんも、そう強く語ります。

「この地域は、今海苔の値段も良いので、若い世代も活躍しています。頑張ったら頑張った分、稼げるので、魅力的な仕事になってきているんじゃないかな。ただ単に、自分の右腕を育てるということではなく、これからこの地域の海苔養殖を担う人材を育てていくんだ、という思いで募集をしたいと考えています」

彼らは、今日も船で海に出ます。

「おいしい」とみんなに喜んでもらえる海苔を、食卓に届けるために。