【養殖漁業/漁師求人】「ひとつ」のチームが繋ぎ、挑む。新しい海苔養殖のカタチ。

【養殖漁業/漁師求人】「ひとつ」のチームが繋ぎ、挑む。新しい海苔養殖のカタチ。

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宮城県南部に位置する亘理(わたり)町。
町の北側の境界を囲むように流れるのは、一級河川の阿武隈川です。

亘理の地名の由来は、「川を渡る」とも、アイヌ語の「ワッタラ(入り江)」とも言われています。町の歴史において、川と海は切っても切り離せません。

例えば、町の名物である「はらこ飯」。
阿武隈川の鮭は、伊達藩主はもちろん、将軍家にも献上されたと伝わる冬の味覚。
親から子へと受け継がれ、それぞれの家庭の食卓でも親しまれる、町の人が愛してやまない自慢の逸品です。

町の歴史とともに、たゆまず流れ続けて来たこの川は、長い年月をかけて土を運び、大地を築き、今もなお豊富な栄養分を海へと運び続けています。

「ここは川水が豊富で、漁期が長いのが特徴。10月末から4月いっぱいギリギリまで海苔摘みができる。川を挟んで向こう側が岩沼市。そこの区画も持っているから、川からの流れ込みを考えながら、亘理側、岩沼側って、いいところを摘みにいける」

亘理町で養殖業を営むのは、たった「ひとつ」。

あらはま海苔合同会社です。

震災後、この地で漁業を営んでいた5軒の海苔漁師が手を取り合い、会社として共同経営していく決断をしました。


たった「ひとつ」。

そう思う人もいるかもしれません。

しかし、たった「ひとつ」の中に、町の歴史と家族の物語がたくさん詰まっていることを忘れてはなりません。

すべては、後世に繋ぐため。

会社は「ひとつ」ですが、一人ひとりが伝えたい思いのバトンを持っています。

 

秋、塩釜漁港にて。

取材に訪れたのは、9月下旬。

種付けされた海苔網を、塩釜の漁場で育てる育苗(いくびょう)作業が行われていました。一面に張り巡らされた網は、まるで海水面に浮かんだ魔法の絨毯のよう!


漁師たちは小さな船を巧みに操り、網を海水面からあげ、手際よく汚れを洗い落としていきます。こうして網をきれいにし、お天道様にあてることで、海苔の赤ちゃんの細胞壁が厚く、丈夫に育つそうです。

作業がひとまわりしたところで、それぞれの船の上で休憩です。

「どこから来たんだ?」「船には酔わないか?」と、みなさん気さくに声をかけてくれます。

 

あらはま海苔合同会社のメンバーは、30代〜60代。
親子、義兄弟、元遠洋漁業の漁師に新規漁業者まで総勢9名。
さまざまな経歴を持つメンバーが揃い、初めて会った気がしないようなアットホームな雰囲気が漂います。

「はらこ飯は食べたか?」「どこのがおいしかった?」
あれこれと話をしながらも、漁師たちの目は自然と海苔網に……。

この時期の海苔養殖の仕事は、漁師というよりも農家に近いのかもしれません。
甲斐甲斐しく世話をしてもらった海苔の赤ちゃんは、はじめこそ目で見ることができませんが、徐々に網を黒く染めていきます。

「海苔養殖のおもしろさは、目に見えないところ……最初は顕微鏡で確認しながらやるんですけど、その状態からカタチに見えるところまで携われるところかもしれないですね」

お話をしてくれたのは、代表社員の菊地幹彦さん(57歳)。
震災を経験し、価値観が大きく変わったと話を続けます。

 

古きを温め、
新しきを「つくる」

亘理町は、 2011年の東日本大震災の津波で町の面積の半分が浸水。
海に面する荒浜地区の被害は大きく、漁師たちは自宅、船、機械、工場と甚大な被害を受けました。もちろん被害は「モノ」ばかりではありません。

「何もない、ゼロの状態。気力も湧かない。最初はもうダメだなって。知り合いのところあちこち回って状況を聞いたりする中で、『やるしかないべ』っていう言葉に勇気をもらったんです。その頃、ほかの地域の海苔屋が水かぶったけど機械直せないもんだろうかと機械屋に相談していることを知って。自分たちはどうする、なんとかできねぇか、って地域の海苔屋で話をはじめて。国からの補助金の制度もあるし、じゃあグループでやってみようと」

それまで1軒1軒が海苔屋としてやってきたなかで、一緒にやっていく戸惑いや反発はなかったのでしょうか。

「もともと他の浜に比べたら、1軒1軒が大きく事業をやってたこともあるし、仲は良かったほう。共同で作業をすることも多かったから、昔から気心知れてたのもありますね。後継者がいる人もいればいない人もいるし、震災のタイミングで後を継いだばかりの人もいるし、事情はさまざま。それでも海苔をもう一度やりたい、っていう気持ちは一緒だった。だから、みんなで割り切ってやっていきましょうって」

こうして震災の翌年にグループとして漁業を再開。
その3年後、合同会社として新たなスタートを切りました。

「ロープの結び方や道具の使い方は、それぞれがこだわりがありますから。あえて統一していません」と菊地さん。

5つの漁家で成り立っているということは、親方が5人もいるということ。
それぞれが、効率よく仕事をすればそれでよし。

もちろんわからないことを尋ねれば、親切に(ちょっと嬉しそうに)教えてくれます。震災後、漁業未経験のスタッフも仲間に加わりました。新しくここで働く人は、それぞれの確かな経験に基づく技術と知識を得られるはずです。

震災を機にすべての価値観が変わったという菊地さんですが、それまでは仕事が嫌で嫌で、東京に出たこともあるのだとか。

「あんなに嫌だったはずなのに……それでも、自分の代で終わってしまうことは、やっぱり寂しかった」

そう言って案内されたのは、会社のすぐそばにある石碑。
この地の海苔養殖の歴史と、旧亘理町漁業協同組合の先駆けとも言える海苔養殖組合の創設者の名前が刻まれています。かつては100人を超える人が、この海で海苔養殖を営んでいたそうです。

静かにそっとこの場所で。
町の漁業の行く末を見守っています。

 

繋がる、進む。新しい挑戦。

あらはま海苔合同会社があるのは、亘理荒浜漁港。

広い敷地の中に大きな棟が全部で3つ。
共販用の乾海苔をつくる工場が2つ、すなわち海苔の製造ラインを2つ持っており、多い時には1日20万枚ほどの海苔を製造しています。

もうひとつの棟は、バラ干し海苔や焼き海苔をつくる工場。2018年に建設されました。多く海苔漁師は共販用の乾海苔をメインで出荷しているため、焼き海苔をつくる機械までを揃えていません。この棟をつくった理由として、自分たちがつくった海苔を「あらはま海苔」の名前で食卓に届けたいという思いがあります。

間も無くオープンする予定であるのが、工場に併設された直売所。
この場所で直接、あらはま海苔を購入できるようになります。
パン屋さんの焼き立てのパンの香りがみんなを幸せな気持ちにするように、ここはシーズン中であれば、焼き立ての海苔の香りを楽しみながら買い物ができるスポット。生産者と消費者が繋がれる場所を目指します。

そして、あらはま海苔合同会社のシンボルともいえるのが、宮城県で唯一導入しているシステム船です。

通常の海苔の収穫は、海苔を刈り取る機械を積んだ船に2、3人が乗船しますが、この船に乗っているのはたったひとり。すべて操縦席で機械を操作します。

ひとりで作業ができるメリットに加え、通常は別で行う収穫と網洗いの工程を同時にできるという優れもの。

仕事の効率化を目指して2013年から導入し、現在はシステム船2隻と従来の海苔摘み船2隻を稼働させているそうです。

あらはま海苔にかける想い

実は菊地さん、宮城県漁協仙南支所(亘理)の運営委員長も勤めています。
指名買いされるほど活魚出荷が有名な亘理荒浜漁港は、支所の販売取扱高は80%以上が漁船漁業を占めています。
残りの2割は、菊地さんたちが手がける乾海苔の共販です。

「だからこそ、地元の名前を広めて行く意味でも頑張りたいですね。この海苔が欲しい!って思ってもらえる海苔を作ってきたい。まずは地元を固める。そこから、荒浜においしい海苔があるよっていうのが広まっていくように」


現在、共販の乾海苔やバラ干し海苔のほか、生海苔、焼き海苔、味付け海苔と幅広く手がけ、今後はシラスの釜揚げにも挑戦していきたいと思いを語ります。

これだけたくさん手がけられるのも、チーム内の理解と信頼関係があってこそ。まだまだやりたいことはたくさんありますが、そのためにもまず体制を整えることが必要です。菊地さんは県の漁業就業フェアにも参加し、漁業未経験の若い人を受け入れようと奮闘中。地域に根ざし、一緒に漁業を盛り上げていく仲間を募集しています。

「海の仕事だけでなく、広報や販売、事務方の仕事に興味のある人も大歓迎。一緒に売り先を考えたり、付加価値をつけて販売したり、ここから新しい漁業のカタチが生まれていくとうれしいですね」

亘理荒浜漁港がある「鳥の海」。
穏やかな湾内から外洋に向かって船を進ませると、不規則な波が押し寄せてきます。
小刻みに訪れる波、ときに押し寄せる大きなうねりを乗り越えながら、外洋へ抜ける航道を、船はまっすぐ進んでいきます。

ここ亘理町で、たゆまず流れ続けてきた阿武隈川。
それを受け入れ続けてきた、雄大な海。

この町で紡がれてきた一つひとつの大切な物語が、今新しいカタチとなって、はじまろうとしています。

(写真・文=高橋由季)
※取材・撮影は2019年9月〜2020年1月に行いました。

募集情報
募集職種 漁師
雇用形態 正社員・フルタイム
給与 月収18万~32万円
※3ヶ月の試用期間あり
※業績により賞与あり
※諸手当/残業手当、通勤手当あり
福利厚生 社会保険完備, 住宅手当, 資格取得支援あり(船舶免許・フォークリフトなど)
仕事内容 海苔養殖
勤務地 宮城県亘理郡亘理町荒浜
勤務時間 <繁忙期>5:00〜15:00※残業あり <閑散期>5:00〜15:00
※天候・作業内容によって変動あり
休日休暇 <繁忙期>個人の申告制(月4日※調整あり) <閑散期>日曜・祝日
※荒天日・作業により休みあり、有休あり
募集期間 2020年01月29日(水)~
その他 ※企画営業・販売・事務も同時募集中(詳細は問い合わせください)
会社情報
会社名 あらはま海苔合同会社
Webサイト https://arahamanori.wixsite.com/arahama
選考方法
選考方法 ※新型コロナウィルス感染拡大防止措置として、現地対応(面談・研修)の受け入れ時期を慎重に判断させていただいております。お電話やビデオ電話などでの企業説明や相談なども行っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

応募

フィッシャーマン・ジャパン担当より電話にて連絡

写真付履歴書の提出(書類選考)

電話もしくはビデオ電話にて面談

現地面談
現地研修(1週間程度)

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