【宮城/漁師求人/漁船】食べ物を作る産業に勝るものはない。江戸時代から定置網漁を営む大東漁業部。

【宮城/漁師求人/漁船】食べ物を作る産業に勝るものはない。江戸時代から定置網漁を営む大東漁業部。

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「おれは昔から言っているんだけど、漁業っていうのは将来有望だと思うのさ」

 静かにそう話すのは、宮城県南三陸町歌津の泊浜で定置網漁を営む大東漁業部の三浦恒志さん。大東漁業部は、江戸時代から泊浜で定置網漁を行ってきました。年数にして200年ほど続いている漁業を引き継いでいる彼の言葉には強さがあります。

「有望な理由は、食べ物をつくっている産業だから。今は、コンビニに行けばなんでも売っている飽食の時代だけど、これがいつまで続くのか。世界中の人がもっと美味しいものを求めるようになれば、これまで通りには食べ物が手に入らなくなる。そうなる前に、もう少し食を支える地域の産業に目をむけるべきなんじゃないのかな。海に囲まれた日本でこそ、水産業はもっと注目を浴びるべきだと思うのさ」

水産業は「3K=きつい、汚い、危険」と言われ、人手不足や高齢化といった多くの問題を抱えています。大東漁業部でも一緒に働く漁師の数はだんだんと減っていきました。

今回、三浦さんが新しい人を募集したいと声をあげたのは、ただ人が欲しいからではありません。漁業のあり方を見直し、これからの漁業を一緒につくっていこうと考えているからです。「ずっとここで働いてもいいし、将来自分でなにかやってみたいなら、それをやったらいい」と話す三浦さん。彼が残そうとしている漁業は一体どんなものなのか。その思いを伺いました。 

この船でできれば、ほかの船でも通用する。

 三浦さんが漁業を営む泊浜は宮城県本吉郡南三陸町にあります。南三陸町は、宮城県北東部に位置する人口13,000人ほどの町です。山と海に囲まれ、志津川湾を囲むように23もの港がある港町。漁船漁業のほか、ホタテやワカメの養殖が盛んな地域で、養殖用の設備が海岸沿いに多く見られます。

 さっそく三浦さんの船に乗せてもらうことに。集合時間は朝の4時。街灯もほとんどない夜道、車を走らせ、集合場所である泊浜の番屋(大量の漁網・漁具が保管されている倉庫)に向かいました。

 私たちが船にお邪魔したとき、大東漁業部はちょうど漁師カレッジの受け入れをしていました。漁師カレッジは、漁師になりたい人が一定期間、県内の様々な漁師のもとをまわって漁業を学べる制度。大東漁業部は、次世代の漁師を育成するため、漁師カレッジを積極的に受け入れています。
大東漁業部での研修が開始してから2週間になるそうで、他の船員さんともとても仲良さげです。船の上でも、ベテラン漁師が率先して若者とコミュニケーションをとり、楽しく会話しながら海の仕事を教えていました。

 「漁師カレッジの生徒はどうですか?」と船員さんに聞いてみると、グッと親指を立てて、「いいよ、本当にいい。おまえらまた来いよって約束した」と満面の笑み。


普段からこの船に乗っている漁師は全員で7人ですが、大東漁業部専属の漁師はいません。ワカメ、ホタテ、ホヤの養殖など、みんなそれぞれの仕事を持った上でこの定置網を手伝っています。なので漁期も自然と限られてきます。

 「定置網自体の許可は、4月から1月なんだけど、ワカメの養殖をやっている人が多いから、ワカメの時期を外した5月から1月まで網を入れてるよ。網を変えるのも、ワカメの準備の時期を外したりして、みんなの力を少しずつ借りながらやっている感じだね」

漁場に着くと、網起こしが始まります。大東漁業部は網を二ヶ所に仕掛けています。みんながそれぞれの持ち場について網をたぐり寄せていきます。

残念ながら、この日は大不漁。網に入っていた魚を種類ごとに選別していきますが、この時期になれば入ってもおかしくない秋鮭の姿がちっとも見えません。入っているのは、イナダやワラサ、タチウオ、ハガツオに、ソウダガツオ。海水温の変化で南の魚が多くなっているそうです。

この後は水揚げ。気仙沼の魚市場まで魚を運んでいきます。海の仕事はこれでおしまい。流れは、準備、出港→(網起こし→選別)×3回→帰港、水揚げの順番で、作業としては3時間ほどです。

一通り作業が終わってから、漁師カレッジの生徒さんに三浦さんの様子を聞いてみました。

 「ときどき大きい声が出る時もあるし、仕事に関しては厳しい人だと思います。それでも仕事は一つずつ丁寧に教えてくれるし、ここでちゃんと勤まるようになれば、どの船に乗っても通用する気がします」

 この船では何をしたらいいのだろうと迷うことはありません。「やらせてください」と言えば、「それ、やってみろ」と挑戦を受け入れて、温かく見守ってくれる船です。

陸仕事こそ、漁師の仕事。

漁師といえば、海での仕事のイメージが強いですが、陸での準備あっての海仕事です。

 「海に出ていたのが大体3時間だとすると、陸の仕事は4時間くらいあるぞ」

 時間だけ見れば、陸仕事こそが漁師の主な仕事とまで言えてしまうくらいです。陸では、網の仕立て、網の修理を行います。


「網が汚れていたら魚が入ってきにくくなるし、網に穴が空いてたら魚が逃げてしまう。だから、こまめに網を洗ったり、修理したりするのは当然なのさ」

 定置網は網の構造上、何種類もの網が必要になります。魚を誘導する垣網、魚を泳がす運動場、最後に魚が入っていく箱網。一つの定置網につき三種類の網が必要であり、台風で網が壊れたり、ゴミがついたりすると交換しなくてはなりません(※)。なので、用意しておかないといけない網の数はなんと20ヶ統と話します。

※大東漁業部の定置網の場合です。大型定置網など、網の形によって必要になる網の数は異なります。

倉庫には、仕立て途中の網、新しい網、中古の網、防草加工のため銅でコーティングされた網など、いくつもの網が重なっていました。

 「一つの垣網を仕立てるのに一年かかったなあ」

 一年かけて、一つの網を直す。根気強くなければ続けられない仕事です。昔は、マグロ船など大きな船を降りたOB漁師が網大工さんとして働いていましたが、今はその数も減っていくばかり。高いお金を出して、網会社に頼むか、自分で直すしかありません。

 せっせと空いた穴を塞いでいく三浦さん。どんな人がこの仕事に向いているのでしょうか。

「おれら漁師にとって網は財産なんだ。だから、網を大事にできる人がいい。海が好きっていうのはもちろんだけど、網を地道に直していく作業もできないと厳しいかもな。だから、変わり者っていうか、職人気質な人とかが合うのかもしれない」

船の上ではコミュニケーションが必須。なので、大東漁業部で求められているのは、海が好きで、コミュニケーションもきちんととれる職人気質な人ということになります。これはかなり難しくないですか?と話すと、「そんなハードルを高くしてないぞ」と笑顔。

今、網仕事ができる人はどんどん減っています。マスターするまでに時間はかかりますが、一度身につければ、どこの浜でも引っ張りだこ。将来、どんな漁業にでも挑戦できるよう、「おれが網仕事の全てを教える」と話してくれました。

ここから水産業の立て直しが始まる。

鎌倉時代から定置網漁を営む大東漁業部。三浦さんで22代目になります。代々、伊達家に魚を献上し、この歌津という土地から人々の食を支えてきました。

 「飢饉のときでも、浜は食糧難に陥らないから、重宝されていたのさ。刺身と田んぼを交換したっていうところもある。今も刺身田っていう地名が残っているくらいだ」

 「これまでずっと魚の水揚げ量が多かったし、流通が発達して、欲しいものが簡単に揃うようになった。だから、その土地で獲れたものが貴重という認識がないのさ」

しかし、これからは、魚の量も減り、食料が足りなくなる時代がくるかもしれない。それは言いすぎかもしれないけれど、今のような生活がいつまで続けられるのかは分からない。自然環境、社会環境に合わせて、水産業も変わっていかないといけないと三浦さんは続けます。

「特にこの歌津という浜では、量に甘えて、ちゃんと価値を付けて売るという方法が育たなかった。魚も人も減っている今、廃業する定置網も出てきてる。これからは新しいことに挑戦していかないと。

未利用魚の活用もその一つ。少し前に、居酒屋さんと協力して、未利用魚を積極的に使ってもらう取り組みを始めたよ。それ以外にも、獲れてしまった小さな魚を生簀で蓄養して、大きくなってから出荷する漁業にも挑戦したいね。ただ獲るだけでなく、付加価値をつける漁業に変えていかないと」

これまでは魚を獲ったら、あとは全て市場任せでした。しかし、これからは漁師自らが工夫をする必要があります。水産業のあり方を変えながら次世代に残す。それが三浦さんの取り組んでいることです。

 「誰か一緒にやりたいっていうやつがいたら、喜んで教えるよ。俺のところで引き継ぐような形でやったっていいし、大謀(定置網の船における船頭のこと)的な立ち位置でやったっていい。決して楽な仕事ではないから、定置網を極めたいっていうくらいのやつがいいな」

食べ物をつくる産業に勝るものはない。本当にその通りです。今、水産業の立て直しがはじろうとしています。三浦さんの挑戦はまだまだこれから。

やる気のある人の挑戦を待っています。一緒に水産業を変えていきませんか。

募集情報
募集職種 漁師
雇用形態 正社員・フルタイム
給与 月収20万円~
月額20万円程度(要相談)
福利厚生 朝食昼食支給
仕事内容 定置網漁業乗組員
勤務地 宮城県本吉郡南三陸町泊浜
勤務時間 1日8時間程度 海上作業4:30~6:30/陸上作業7:00~12:00(目安)
休日休暇 市場休市日は基本的に休み(通年雇用の場合は、年間240日程度勤務となります)
その他 住居・宿泊施設については応相談。

見学や就業体験(有給。1週間〜1ヶ月)も受け付けています。

会社情報
会社名 大東漁業部
【宮城/漁師求人/漁船】食べ物を作る産業に勝るものはない。江戸時代から定置網漁を営む大東漁業部。

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