仙台から三陸道を北上して1時間半弱、紅葉が眩しい山々に囲まれた道を走っていたかと思うと眼前に海が広がります。
町の7割を森林が占め、8つの河川が志津川湾に注ぐ山と海に囲まれた南三陸町では、1976年、日本で初めて銀鮭養殖がスタートしました。
この地で1990年代に入ってから銀鮭養殖を始めた銀鮭漁師、後藤俊正さん(72歳)と俊彦さん(44歳)親子が、共に銀鮭養殖に携わる仲間を求めています。
通年で銀鮭養殖に携わることもできるし、閑散期の8月~9月は農業や他の産業、他の地域の海に携わってもよいと2人は話します。
銀鮭養殖の現場で共に仕事をするのは息子の俊彦さん。
専門学校を卒業して、23歳から本格的に家業である銀鮭漁師になりました。
「公務員の勉強をしてたんだけど父親が怪我をしちゃって、仲間と相談して、地元に戻ろうかね」という話になったのがきっかけ。
戸倉の銀鮭養殖はチームで仕事をします。
このチームにはアルバイト含めて20代〜70代まで、年齢層の広い仲間が揃っています。
「戸倉の銀鮭は、いろんな歴史があって、いまの形・いまのメンバーになったんだよ」
後藤さん親子は宮城県漁協志津川支所の戸倉銀鮭部会に所属しています。
戸倉銀鮭部会は南三陸町の銀鮭養殖の盛衰と共にその道を歩み、今に形を残しています。
急激に増加した銀鮭漁業者の漁場の過密利用による海洋環境の悪化、輸入チリ産銀鮭による国内銀鮭の価格下落、そして震災。
個人でダメなら、まとまろう。
そうして困難をくぐり抜けた漁師で構成されたのが今の戸倉銀鮭部会。
現在6漁師がまとまって共同で作業をしています。
取材をしたのはちょうど銀鮭養殖のシーズンが始まる11月。
宮城県の内陸部から、山で育った銀鮭の子供である「稚魚」がトラックで運ばれてきます。
沢水で育った稚魚たちはこの日、初めて海の水を知ることになるのです。
いよいよ銀鮭のシーズン開始。
緊張感と高揚感が入り混じった雰囲気がありました。
稚魚の種類や生育環境で水揚げの出来不出来は大きく変わります。
11月から稚魚には毎日エサをやり、徐々に稚魚を太らせ、4月から水揚げが始まります。
順調にいけば丸々太った銀鮭を収穫できるし、稚魚が病気にかかれば水揚げ前に死滅してしまう。
リスクヘッジとして稚魚は複数の会社から仕入れて、それぞれ別々の生簀で育てることにしています。
10月~11月 稚魚の投入が始まる
9:00~13:00くらいまで、グループ総動員で稚魚の投入が行われます。
内陸から運搬される稚魚の量や海の状況、天気でその日の作業量が決まります。
11月は稚魚入れの最盛期、午前と午後のダブルヘッターで稚魚入れを行う日もあり、
稚魚の搬入が遅れれば、日が暮れるまで作業がかかることもあります。
12月~3月 稚魚を太らせる期間
毎日、朝と夕方にエサをやります。
給餌作業は基本的には自動化されており、エサのペレットが海水で流し込まれていきます。
エサの食いつきを見ながら、人の手で微調整をしていきます。
銀鮭の成長に合わせて、当然投入するエサの量を増やしていきます。
4月~7月末 水揚げが始まる
3:00ころから氷を船に積み込み、4:00ころに出航します。水揚げと翌日の出荷のために選別を行い、8時ころからお昼ころまで、エサやりをします。
8月~9月は銀鮭漁師にとって骨休めをする期間
夏の終わりには水揚げも終了。休漁期の間は、町内の定置網漁の仕事を手伝ってもいいし、全く別の仕事をしてもいい。
俊正さんは、
「息子と仲良くやってくれる人が来るといいな」と期待しています。
息子の俊彦さんは大きな体で、軽々と給餌のためのスコップを操りますが、その語り口は優しいものでした。
「海の仕事が初めての人にとったら、朝早いのは、最初のうちはきついだろうなあ。」
「でも、浜の近くに宿舎を用意したし、身体を動かすのが好きであればいいよ」
俊正さんは、納屋をリフォームして、単身用の宿舎を作りました。
「地域に縁もゆかりもない人でも、銀鮭漁師として働いてみたいと思った人がいたらここに暮らせるようにね、おうちくらいは用意してあげないと。」
法人化もしていて、社会保険も完備している。
「若い人を受け入れるにはこれくらいは準備しないとね。もし、所帯を持った人がきたら、納屋をもう少し崩して部屋を広くするかなあ」と、まだ見ぬ仲間の将来の心配もしています。
有限会社南丸水産。
移住をして銀鮭に携わりこの地に根差したい人、まずは水揚げのシーズンから入ってみてその後の人生を決めたい人、さまざまな関わり方で、人を受け入れる準備は万全です。
基本的には後藤さん親子との仕事が多いですが、銀鮭部会のチームで作業をすることもあります。体を動かすのが好きな人はもちろん、コミュニケーションをとりながら仕事をすることが好きな人をお待ちしています!
宿舎情報
設備:キッチン、トイレ、バスルーム、リビングスペース(約8畳)
募集職種 | 漁師 |
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雇用形態 | 正社員・フルタイム, パートタイム・アルバイト |
給与 | 月収25万円 ■雇用形態:通年雇用(雇い止めなし)、期間雇用 ■期間: ・通年雇用の場合 11月~7月:銀鮭養殖に関わる仕事 8月~9月:銀鮭養殖の準備 ※8月~9月は、最低補償にして、その他の仕事に携わるのも可能 ・期間雇用の場合 4月~7月:水揚げに携わる仕事 ■給与: ・通年雇用:月給¥250,000 ・期間雇用:日当¥12,000~¥15,000 |
福利厚生 | 社宅あり, 社会保険完備, 厚生年金, 労災保険, 健康保険, 雇用保険 |
仕事内容 | 銀鮭養殖, 養殖漁業, 沿岸/養殖漁業 |
勤務地 | 宮城県本吉郡南三陸町戸倉2−2 |
勤務時間 | 10月:9:00~14:00 11月:9:00~17:00(遅くなる場合あり) 12月~3月:1日3~4時間程度 4月~7月:3:00~13:00 |
休日休暇 | 変形労働時間制を採用 |
募集期間 | 2022年03月14日(月)~2023年09月30日(土) |
会社名 | 有限会社南丸水産 |
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