宮城県石巻市から船で約60分。
夜明けを待たず、田代島沖で水揚げをする海の男たち。
油圧式のクレーンが轟々と音を立てる中、向かい合う2つの船からは彼らが呼び合う声が飛び交います。
定置網という漁にかける誇り
田代島沖は南北からの海流がぶつかり合う場所で、水温等条件が整った世界有数の漁場とされています。定置網の漁場として昔から注目され、多くは岩手県から漁師たちが島内の番屋で寝泊まりし、漁港を活気づかせていました。
(有)道下漁業もその内のひとつです。
(有)道下漁業の本社は岩手県大船渡市にあります。
創業当時は大船渡の湾内に小型の定置網を仕掛け生計を立てていましたが、よりよい漁場を求めて昭和58年より田代島でも漁をスタートさせました。
今では19tの大きな船4隻で沖に出て、全長1,500mの大型定置網2ケ統を仕掛けています。
道下漁業の社員は64名。
そのうち24名が、牡鹿半島の荻浜に2018年に完成した番屋で暮らし、田代島の漁場へ通っています。最近は18歳、20歳の漁師が加わり、若い世代も活躍する会社です。
朝は早く、自然任せ。
ハードなその仕事を父子で続けるまでの魅力が、定置網漁のどこにあるのでしょうか。
お話を伺ったのは専務の道下 聡(みちした さとる)さんです。
定置網漁は潮流・水温などを参考に一定箇所に漁具を固定し、入り込んだ魚を網ごと引き揚げる漁のことをいいます。魚を追いかけて獲るのではなく、いわば「待つ」漁法です。網を張るのは先代の漁師が長年かけて最適化してきた場所。イワシ、サバ、サワラ、ブリなど魚種はさまざまで、季節ごとに変わります。
「予測できない面白さがありますね。前日に100キロしか揚がらなくても、次の日は40トン50トン揚がるということがよくあります。一網で数千万円分の稼ぎがあることも。漁獲量を思い通りに調整できない分、大漁の時の漁師たち目の輝きといったらないですね」と道下さん。
「待つ」時間から一転、一斉に行う水揚げは豪壮。
まさに絵に描いたような「男のロマン」の世界です。
ここからは時間との勝負。高度な鮮度管理が「道下漁場の誇り」と道下さんは言います。
まだ夜も明けぬ午前3時過ぎ。その日1回目の水揚げを行います。
その後、陸に上がると一斉に社員総出で網の修理。
そして10時頃、2回目の水揚げをしに漁場に向かい、獲れた魚たちを石巻魚市場へ。
遅くても15時頃には1日の仕事が終わります。
浜で「暮らす」ゆるやかな時間
荻浜の番屋に戻ると漁師たちは解散。
それぞれが自由な時間を過ごします。仕事あがりのビールを昼間から飲む人もいれば、番屋のお母さんたちが作る温かい料理を食べて、趣味の釣りに没頭する人もいたり。
この番屋は、2018年7月に新しく完成したばかり。
荻浜は山々に囲まれた静かな漁村です。
都会のOFF時間とは違う、のんびりした時間が過ごせるはずです。
定置網漁は4月から、田代島漁場、大船渡漁場で1月までが漁期とされています。
それ以外の数ヶ月はオフシーズン。
ここで旅に出たり、他の漁を手伝ったり、思い切り自由に時間を使うことができます。
海が好きだからこそ向き合える
「毎日向き合うから海が好きな人が向いていると思います。楽な仕事ではない分、好きじゃなくては続かないし、楽しくないと思います。私もやはり地元の人間ですから、海に意識を向ける癖がついているようで、時化た日はどうしても網の様子が気になってしょうがなくなります。意識はしていませんが、この海と一緒にやっていかなくてはと思うように、知らぬ間に環境に育てられたのだと思います」
津波に流された旧社屋の代わりに、新しい社屋、工場、番屋を作り直し、ようやく会社倉庫の着工に辿り着いた道下漁業。しかし、漁獲量でいうと、震災前の状態には復活しきれていないのだそうです。もし人手があれば漁場をフル稼動出来るのに、震災で海を離れた人はなかなか戻って来ません。
漁師というのは、一歩間違えば危険も伴う業種。教えてくれる先輩漁師はいるものの、簡単に覚えられるものではありません。
「だからこそ真剣でやる気がある人に出会いたいです。ゼロからのスタートでも若い人が経験を積んで、俺なんかにこうしたい!と意見してくれるようになったら最高ですね」
海は常に漁場を提供してくれています。しかしそれを獲りに船に乗る人材が足りません。
道下さんは、若い人を根気づよく現場で育てあげ、もっと漁場を開拓していきたいと、未来に期待を馳せます。
豪壮たる男たちと追いかける海のロマン。
あなたも仲間になってみませんか?
(取材日:2016年3月2日 文:佐藤睦美)
※2019年1月に情報を更新しました。
募集職種 | 漁師(漁船) |
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給与 | 27.5万円/月 ※1.1万円/日とし、欠勤分減額 |
福利厚生 | ・社会保険完備 ・皆勤手当,大漁手当 ・大漁手当 ・寮(番屋)あり ・食堂あり(社員はタダ!番屋にある食堂では、寮母さんたちがおいしい料理を作ってくれています!) |
仕事内容 | 午前3時過ぎ。その日1回目の水揚げを行います。 その後、陸に上がると一斉に社員総出で網の修理。 そして10時頃、2回目の水揚げをしに漁場に向かい、獲れた魚たちを石巻魚市場へ。 遅くても15時頃には1日の仕事が終わります。 |
勤務地 | 宮城県石巻市小積浜 |
勤務時間 | 3:00〜15:00 |
休日休暇 | 日曜休 ※漁期によって変動あり |
募集期間 | 2024年08月16日(金)~2025年12月31日(水) |
その他 | 2025年3月以降の雇用になります。 |
会社名 | 有限会社道下漁業 |
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住所 | 岩手県大船渡市三陸町越喜来字井戸洞26-2 |
選考方法 | TRITON JOBから応募いただきます ▼ TRITON PROJECTよりメールにて連絡をします ▼ TRITON PROJECT 公式LINEを追加いただき、チャットにてやりとりを開始 ▼ LINE内で、サポート窓口と電話での簡易面談 ▼ LINE内で、エントリーシートの提出をお願いします ▼ 書類選考・現地での面談・研修などの調整をします ▼ 選考の結果、合否をお知らせします |
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