それぞれの道が重なり合う「家族」の現場

それぞれの道が重なり合う「家族」の現場

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  • 経験者優遇

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ヤマトミは石巻市松並と魚町に社屋と工場を持つ水産加工会社です。創業は平成4年と比較的新しいものの、煮焼き穴子や、焼き鯖、〆鯖を中心に石巻産の食材を発信し、石巻を代表する会社のひとつとなっています。震災前は業務用商品のみを扱っていましたが、近年では個人向け商品を展開し、催事出店、コンビニや高校生とのコラボ企画など、新しい取り組みにも積極的に挑戦しています。

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また日本国内でも数台しかないという「過熱蒸気ロースター」を導入し、火を使わずに蒸気の熱で焼き上げた穴子や鯖は、水分が飛ばずふんわりとした口当たりが人気の看板商品。特に「煮焼きあなご」は、今年の第40回宮城県水産加工品品評会では「水産庁長官賞」を受賞し、名実ともに石巻を代表する商品となりました。

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地域の魅力を世界に伝えるしごと

今回募集をしているのは、こうした会社の強みを社外にアピールする営業職。商社やスーパーとのやりとりをはじめ、新しい販路を開拓するお仕事です。お話を伺ったのは常務の千葉尚之さん。社長である千葉雅俊さんの息子さんで、社内では営業部門を担当しています。

入社後はまず自社の商品を覚える所からスタート。先輩社員のもとでバイヤーが求める商品のサンプルづくりをしたり、東京や仙台で行われる商談会に出席したり、それに合わせて資料作りも行います。主に業務用の営業を担当する割合が多いそうで、丁寧な応対と抜けのない営業スキルが必要です。

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震災後、多数のメーカーが集まるシーフードショーや商談会で「とにかく出まくった」という尚之さん。悔しかったり、大変な思いをしても、やはり嬉しいのは取引先が決まった瞬間でした。「マレーシアや香港など海外にも事業展開できることが決まった時は、特に嬉しかったですね。《石巻》や《ヤマトミ》の名が海外に出ると思うと苦労が実った嬉しさがありました」

 

転身。帰郷。苦悩の先に見つけた大切なもの

今では、こうしてヤマトミの顔として商談に奔走している尚之さんですが、震災の1年前までは水産業とは全く違う世界で、全く違う夢を追いかけていました。高校卒業後、役者を目指して上京。なんとか生計を立てながら、芝居に没頭すること15年。少しずつ舞台にも出られるようになってはいましたが、なかなかチャンスを掴めずにいました。
「突破口が見えなくなっていましたね。一度地元に帰ろうかと思っていた頃、実家の会社が事業を拡大することを知りました。そういうタイミングだったのだと思います」

尚之さんは2010年3月に石巻に戻り、ヤマトミに入社。迷いながらも覚えた仕事をただただ懸命にこなす日々が続きました。今まで水産業とはかけ離れた世界にいた尚之さんにとって、毎日が慣れないことの連続でした。

「芝居の仲間にも家業を継ぐことを宣言していましたし、東京に戻らない覚悟はしていました。でも“息子が帰って来た”と言われているだろうことを気にし過ぎていたのか、ずっと気を張っていました」

石巻に戻ってきてちょうど1年後、やっと仕事を覚えてきた頃に震災が起こります。社屋や工場は全壊。茫然とする気持ちを押さえ、瓦礫の撤去から始めた再建作業の中で、尚之さんの気持ちは変わっていきました。

「わざわざウチを選んでくれた従業員たちが、いかに大事な存在か気付かされました。今までの気負いやプライドは吹っ切れて、この人達の生活のためになんとかしなくてはと思いました」

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会社を大好きになってもらいたい

尚之さんの妹、文枝さんは東京の美大に進学し、卒業後もアルバイトをしながら作品制作に取り組んでいました。震災後は、実家の片付けをするために石巻に帰ってきては東京に戻るという生活を続けていましたが、やがてこれまで積み重ねてきたアートの道を一旦離れ、家業の手伝いをすることを決意します。

「ずっと水産とは無縁の気楽な生活をしていて、地元に帰ってくる気はありませんでした。だけど家の中も落ち着かない中、会社が再稼働することになり、“今やること”があったので不思議と抵抗なく帰って来ました。制作の手を一旦止めることに焦りはありましたが、よく考えたらアートは一生できること。焦って悩むこと自体が不健康だったな、と思っています」

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文枝さんはヤマトミに入社後、総務事務を担当。慣れない仕事内容に苦戦しながらも、地域、会社、社員との理想的な関係づくりを目指して、就業規則の整備や、キャリアアッププランづくりにも意欲的に取り組んでいます。

「従業員自身が自社の一番のファンだったらいいなって思うんです。会社が楽しくて、自社の商品が大好きで…従業員がこの会社でイキイキと働けるような環境を作っていきたいです」

 

社員って「家族」みたいですよね

役者志望だった兄と、アーティストの妹という異色の経歴をもつ兄妹は、それぞれの役割は違うものの、ともに新しい試みにも挑戦してきました。再建の取っ掛かりとして、経営理念を新しく創り直すことにした尚之さんに、文枝さんはクリエイティブサポート事業を活用してのロゴマークの一新を提案。

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「兄が作っていた経営理念には、家族、地域、その暮らしを支える自然環境に感謝しようという内容が含まれていました。海と波の青、山の緑、そこに暮らすわたしたち。そのつながりをイメージしてデザインしてもらいました」

ふたりが手探りでつくったというホームページや通販サイト、新しく稼動した加工工場には、このロゴマークが掲げられ、会社の顔となっています。

ところで、同じ社内で家族が働いていることにやりづらさはないのでしょうか?

「家族ですから、それなりに感じることはあります。特に男同士だと対抗心が沸いてくるので、父とは意見が食い違う時もありますよ。でも会社にとってどうかを考えると、さすがというか、父の言うことが正しいんですよ。そういう時はしっかりしなきゃと思い直しますね。あとは、面白そう!やろう!となった時にすぐに動けるのがメリットだと思います」と尚之さん。

尚之さんが経営理念を考える際、特にアドバイスを求めたのが、10年以上工場をまとめてきた50代の女性工場長でした。尚之さんが「社員って何だろう?」と聞くと、帰ってきた答えは「家族だね」。

「なんでか分からないけど不思議な縁で偶然ここに集まって、長い時間一緒にいるんだからもう家族だよね、って工場長が言ったんです。確かにそうだなと、気付く部分がありました」

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ヤマトミの「家族」は、被災後10名から再スタートをしましたが、今ではパートやアルバイトを含めて62名。営業職は男性が舵を取っていますが、繊細さを求められる加工作業は女性がメイン。地域の主婦層が製造ラインをしっかりと支えています。

 

必要なのは、まっすぐな情熱

ヤマトミでは、年度末に向けて新商品を開発中です。担当する尚之さんは、レストランオーナーや素材をよく知る工場長などと意見を交わし合い、何度も試作を重ねています。

「震災後作った経営理念には、「食を扱う企業として明日の活力につながるものづくりをする」という決意も込めました。震災前は“こういうものが欲しい”と委託されたものを作っていましたが、今年初めて新しい理念に沿った商品が完成します。美味しいと言って食べてくれた人が健康になって、その人の明日の活力につながるんだ、そう思うと商品開発は楽しくて夢中になります」

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役者一筋から一転。新たに「夢中になれるもの」を見つけた尚之さん。販路開拓、商品開発など今後会社の成長に大きく関わる今回の採用に、どんな人物像を思い描いているのでしょうか。

「東京にいた時、自分はやりたいことに向かって努力する人達の中にいました。自分がやりたいからまっすぐに情熱を傾ける、そういう世界にいました。だから仕事の大小じゃなくて、会社の為にじゃなくて、とにかくやりたい気持ちを素直にぶつけてきて欲しいと思っています。そうやって自分と一緒に成長してくれる人と、情熱を傾けていきたいです」

 

(取材日:2016年3月4日 文:佐藤睦美 写真:Funny!!平井慶祐)

募集情報
募集職種 水産加工
雇用形態 正社員
給与 月給175,000円~270,000円
〈基本給155,000円~200,000円+各種手当〉
・夏季手当、年末手当別途支給有り
福利厚生 社会保険, 雇用保険
仕事内容 営業・企画・販売
勤務地 石巻市松並1丁目15-5(本社・工場)及び、石巻市魚町2丁目1-9(第2工場)
勤務時間 【平日】8:00~17:00(休憩90分) 【土曜日】8:00~16:00(休憩60分)  時間外あり:月平均20時間ほど
休日休暇 日曜、祝日、他(会社カレンダーによる。年末年始・お盆休み有り) 年間休日数:86日
募集期間 2016年03月01日(火)~
その他 ・有給休暇、特別休暇、昇給、賞与(業績による)、通勤手当、作業服貸与、駐車場完備、健康診断の実施の待遇あり
・年末は繁忙期となりますが、新年会と新入社員歓迎会は会場を貸切って、食事やレクリエーションで盛り上がります。
・工場内は日頃より安心・安全な商品づくりを心掛け、食品安全システムの国際規格認証の取得を目指す衛生的な職場です。
会社情報
会社名 株式会社ヤマトミ
住所 宮城県石巻市松並1丁目15番地5
Webサイト http://yamatomi-isi.com/
通販サイト http://yamatomi-isi.com/item.php
Facebookページ https://www.facebook.com/kabu.yamatomi/
選考方法
選考方法 履歴書をお送りください。書類選考後、面接、作文試験を行います。

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