【三重/養殖/水産加工】「真鯛の生産量を変えずに売上を伸ばす」独自の多角化戦略で革新を起こす友栄水産が、漁師と加工メンバーを募集。

三重県南伊勢町・阿曽浦の海を拠点に、真鯛養殖を営む「有限会社 友栄水産」。年間を通じて約24万〜28万匹の真鯛を養殖し、全国に出荷しています。しかし、この会社が手がけるのは養殖業だけではありません。
漁業体験ができるゲストハウス「まるきんまる」を運営し、「鯛めし」をはじめとする加工食品を次々と開発。さらに食品ロス削減に取り組むなど、従来の漁師像に収まらない事業展開を繰り広げています。
「大量にとって、大量に売る。そんなやり方では労働者不足にも人口減少にも災害リスクにも対応できない。僕たちが目指すのは、必要な人に必要な分だけを届けるサステナブルな水産業です。だから、これ以上生産量を増やさなくていい」
そう言い切るのは友栄水産の三代目・橋本純さん。橋本さんが選んだのは、「生産量を増やす」のではなく、「付加価値を高めていく」道。今も飲食店をオープンさせる準備を進めているそうです。そこにはどんな思いが込められているのでしょうか。そして、そんな革新の現場では、どんな仕事が求められ、どんな人が活躍できるのでしょうか。橋本さんの挑戦に迫ります。
養殖から漁村体験、宿泊、加工、飲食まで、多様な事業を展開

15歳で地元を飛び出し、大阪の大学で建築を学んだ後、世界中を旅していたという橋本さん。久しぶりに帰った故郷の寂れた姿に危機感を覚え、家業を継ぐべくUターンしたといいます。
「うちはもともと真鯛の養殖をしていて、僕が帰ってきてスタートしたのが体験事業です。これには会社のPRという目的もありますが、魚さばき教室などを通じて食育に貢献したり、漁業への関心を醸成したいという気持ちもあります。体験することで漁業や漁村の暮らしを知ってもらうこと、当事者になってもらうことが大切だと考えています」
さらに、2017年には、かねてから構想していたという宿泊事業をスタート。続いて、2023年には本格的な加工場を設立し、それまで外注していた鯛めしの製造を社内でできるようになりました。
「加工については鯛めしが大きな柱になっていますが、調理師免許を持つ妻の『魚の良質なタンパク質を子どもたちに食べてもらいたい』という思いもあって、『おやつひもの』などの加工品の開発やベビーフードの製造も行っています。また、加工では、食品ロスの削減にも注力しているところです。例えば、鯛の可食部は、刺身にする場合は30%程度。あとの70%は廃棄されてしまうのです。このような部分を当たり前のように捨ててしまうのではなく、資源に変えるような取り組みを、今、着々と進めています」
これらの事業に加えて、現在は加工場に併設した飲食店の開業に向けて準備を進めており、自らも寿司職人の技術を学んだという橋本さん。養殖に始まり、漁村体験、宿泊、加工、飲食へと、その挑戦はとどまるところを知りません。次々と革新的なアイデアを生み出し、実現していく原動力はどこにあるのでしょうか。
「従来の日本の漁業は、大量にとる・大量につくるという状況がありましたが、今後は変わっていく必要があるでしょう。必要な人に向けて必要な分だけをとるという仕組みのほうが、シンプルであり生産量も維持できます。先ほど食品ロスの話をしましたが、例えば可食部が2倍になれば、生産量は半分で済む。それにより、労働時間も減らすことができます。
僕は、今後災害が起きるリスクや人口が減っていくことを考えると、これ以上うちの生産量は増やさない方がいいのではないかと思っています。これ以上増やすと、何かがあった時に復活できなくなってしまうので。量を増やすのではなく、どれだけ付加価値を付けて販売できるか。生産量を変えずに売上を上げる仕組みをどのようにつくるか。これは、新たな漁業のシステムを開発する取り組みといえます」
友栄水産の多岐にわたる事業展開の背後には、日本の漁業に対する課題意識と、明確な未来のビジョンがありました。
「周りからみると、手広く事業を展開していて、“とっ散らかっている”ように見えるかもしれません。でも、僕の中では整理できていて、全てがつながっているんです」

三重県で最大規模を誇る真鯛の養殖場での仕事とは
このような幅広い事業を展開する友栄水産では、現在、養殖場と加工場、それそれで活躍してくれる人材を募集しています。
まず、養殖場での基本労働時間は、6時から15時までの8時間(休憩1時間)。一日のスケジュール例としては、6時から8時まで魚の出荷作業を行い、8時から12時までエサやりと準備、12時以降は網直しや翌日の準備などを行います。また、これらの業務に加え、友栄水産では自社便でトラック配送を行っているため、週に3~4回、日帰り圏内でのトラック輸送の業務が生じます。
「トラックドライバーも兼任できる方は、その分を給与に上乗せします。漁場の業務では、船や大型トラックの運転免許があることが理想ですが、免許がない場合、うちで働きながら取得してもらうという方法もあります。その場合は、資金面を支援しますので、ご相談いただければと思います」

養殖場では現在、7人程度の人員体制で業務を行っており、外国人実習生を含め30代から60代まで幅広い年齢層のメンバーが活躍しています。
「Uターンやこの地に長く住んで働きたいという方だけでなく、『一度漁業を経験してみたい』という方など、2~3年程度の勤務を想定している方も歓迎します。新卒の方も中途の方も、ぜひうちで経験を積んでいただければと思います」
加工場では、商品開発や販路拡大でさらなる飛躍を目指す
一方、現在、新たな商品開発や販路拡大に取り組んでいる加工場では、橋本さんと共に加工場の運営や商品開発、営業を担う人材を募集しています。
「現在、加工場は僕と妻、パートスタッフの3人で回していますが、先ほどお話しした通り、加工場では食品ロスの削減を目指した食品開発や取引先の拡大などに取り組んでいます。骨ごと食べられるような商品を開発し、どのように売っていくか。地産地消に近い形を実現するために、どのような営業をしていくか。加工場では、このような課題に共に向き合い、運営や営業を行ってくれる方を探しています。もし、これから始動する飲食事業にも携わっていただけるなら、より有難いです」

このように、加工場の中核メンバーとなる人材を募集する一方、パートや学生アルバイトを含む加工スタッフも募集しています。こちらはシフト制で、9時から18時まで魚の加工作業を行います(休憩1時間)。
「友栄水産全体としては、毎週火曜日が定休日。社員は火曜日のほかに週1日休むこととしています。とはいえ、土日をどうしても休みたいという方は、火曜日に出社して単独でもできる仕事をやってもらい、土日を休みにしていただくことも可能です」
社員の完全週休2日制を実現するなど、働きやすい環境づくりにも努めている橋本さん。新人教育については、「小規模な会社なので、新しく入社された方は皆で指導していきます」ということです。
日本の水産業の課題を解消する、新たな仕組みづくりのために
世界のさまざまな土地を訪れてきた経験を持つ橋本さんは、阿曽浦には特別な魅力があると語ります。
「僕は、過去にアフリカのサバンナなどいろいろな場所に足を運んできましたが、阿曽浦の自然やそこで生きている人々には素晴らしいパワーがあると感じています。そして、この魅力的な土地で、鯛の養殖という地元ならではの仕事ができているのは、うちの大きな強みです」
阿曽浦という土地の魅力を生かすことで、「世界中から人を呼べる自信がある」と胸を張る橋本さん。水産業において自身が行ってきた仕事は、そのための“仕組みづくり”なのだといいます。さらに、橋本さんは、友栄水産の事業を通じて仕組みづくりをするだけでなく、そのモデルを言語化することで後世に引き継ぐことにも着手していると語ります。
「僕は40歳を過ぎてから三重大学の大学院を出て、今はドクターとして研究を続けています。大学院に入ったのは、それまで独断で走り続けてきた自分の仕事を客観視したいと思ったから。そして、事業を通じて構築してきた水産業の仕組みを論文に落とし込むことで、後世の人が参考にしたり、ブラッシュアップしたりできるようにしたいと考えたからです」

養殖業から派生し、漁村体験、宿泊、加工、飲食へと多岐にわたる事業を展開してきた橋本さんは、自社の未来だけでなく、日本の漁業全体の未来を見据えていました。
「実は、まだまだやりたいことはたくさんあるんです。ただ、それらをビジネスとして成立させるには人材が必要です。挑戦したいと思っているけれど、今、自分で手をつけるとキャパオーバーになってしまうので、温めているアイデアもたくさんあります。それらを共に実現できる仲間に出会えたら、とてもうれしく思います」
そう語り、あふれるアイデアを形にしてくれる仲間との出会いに期待を寄せる橋本さん。
水産業ははじめてだけど、挑戦してみたい。新しい水産業の仕組みづくりに、自分も参加してみたい――友栄水産は、そんな皆さんの応募をお待ちしています。
募集職種 | 漁師 |
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給与 | 年収240万円 ①養殖②加工(正社員) 上記の年収 昇給あり ③加工(アルバイト) 時給1,050円 昇給あり |
福利厚生 | ①養殖②加工(正社員) 社会保険完備 住宅手当あり 資格取得補助あり ※船舶免許は1年大型自動車は3年勤務する必要あり。途中退社の場合は返金。 ③加工(アルバイト) 制服支給あり 交通費支給(上限あり) |
仕事内容 | ①養殖 ・養殖魚の出荷、餌やり ・網のメンテナンス ・小型定置網漁 など ②加工(正社員) ・加工事業の運営、商品開発、営業 ・養殖魚の加工(さばく、真空するなど) ・鯛めし、ベビーフードづくり ・希望に応じて友栄水産の別の事業(カフェ、ゲストハウスなど)にも関われます! ③加工(アルバイト) ・養殖魚の加工(捌く、真空するなど) ・鯛めし、ベビーフードづくり など |
勤務地 | 三重県度会郡南伊勢町阿曽浦345 |
勤務時間 | ①養殖 6時〜15時(休憩1時間) ②加工 9時〜18時(休憩1時間) |
休日休暇 | 火曜日+週1日。有給は半年後から付与 |
募集期間 | 2024年12月27日(金)~2025年12月27日(土) |
その他 | ※全職種普通自動車免許必須 ①養殖 船の免許、大型自動車免許保持者優遇あり マネジメント経験者歓迎 ③加工(アルバイト) 3日連続で勤務できる方(社宅で宿泊も可能) 魚の匂いに抵抗が無い方 試験機関1ヶ月(9日間) |
会社名 | 有限会社 友栄水産 |
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住所 | 三重県度会郡南伊勢町阿曽浦345 |
選考方法 | TRITON JOBから応募いただきます ▼ TRITON PROJECTよりメールにて連絡をします ▼ TRITON PROJECT 公式LINEを追加いただき、チャットにてやりとりを開始 ▼ LINE内で、サポート窓口と電話での簡易面談 ▼ LINE内で、エントリーシートの提出をお願いします ▼ 書類選考・現地での面談・研修などの調整をします ▼ 選考の結果、合否をお知らせします |
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