【三重/漁師求人/養殖】巨大なマグロと日々格闘する養殖現場で、ともに大きな夢を追う“相棒”求む

 

 

三重県南伊勢町奈屋浦で、独自の技術を駆使して養殖本鮪「みえまぐろ」の生産を行う丸久水産。国内最大級の生簀をもつ同社では、他社が3年飼育して出荷するところを4~5年かけて飼育することで、マグロ本来の脂の乗りや赤身の鮮やかさ、旨みを最大限に引き出しています。

丸久水産の養殖現場を取り仕切るのは、岸本和真さん。現場責任者として餌やりから出荷の段取り、施設管理まで全般的に担う岸本さんは、マグロ養殖には特別な魅力があるといいます。

「やっぱり豪快やね。最大魚の養殖っていう。マグロより大きな魚を養殖してるところはないと思うので。大自然を相手に巨大なマグロと対峙して、毎日格闘するというのが楽しみじゃないかな」

巨大なマグロが水しぶきをあげて餌を奪い合う様や、40kgを超えるマグロに電気ショックを与え一本釣りする模様など、大迫力のシーンが日々展開されているマグロ養殖の現場。ここには、ほかにはない大きな夢と、その夢に情熱を注ぐ漁師の姿がありました。

さわやかな笑顔の裏に、並々ならぬマグロ養殖への熱量を感じさせる岸本さん

 

チームの結束を強める、徹底した“現場主義”

丸久水産は奈屋浦と宿田曽の2箇所に漁場を持ち、直径60m・最大水深50mの大型生簀10台と、ヨコワ(マグロ養殖に用いる幼魚)用の小型生簀2台を用いてマグロ養殖を行っています。

 

「マグロは50kgを超えると身質がぐっと良くなるといわれているんですが、出荷作業中の成長も考慮して、40kgを超えた辺りから水揚げを始めていく。毎年3000尾を生簀に入れて、出荷時には、2000尾出せればいいって感じかな。台風や潮の影響を受ける仕事だから、なかなか計画通りにはいかない。予測を立てても、台風に見事に裏切られることもあるしね」と岸本さん。現場の全ての段取りを組み立てる責任者として、自然災害との戦いであるマグロ養殖の厳しさを痛感しながらも、大自然と対峙することはこの仕事の楽しさであり、醍醐味でもあると語ります。

また、丸久水産でのマグロ養殖をやりがいあるものにしているのは、会社に浸透している「現場主義」のポリシーだと岸本さんはいいます。

「『デスクワークができるだけでは認められないよ』っていうのがうちの会社。たとえば僕は現場責任者ですが、自分で言うのもなんですが、マグロに関わる仕事は結構できます。そうじゃないと、僕の立場は認められない。陸で踏ん反り返っているようなことは通用しない。うちの会社では、社長も含め皆が毎晩現場に行くんですよ。

やっぱり、暖かい事務所にいるお偉いさんから『ああしろ、こうしろ』と言われても、現場の子たちはなかなか納得いかないですよね。一緒に寒いところで辛い思いをしたりしながら物事を進めていくから、リーダーシップがとれる。それが当たり前になっているのが、うちのいいところじゃないですかね」

 

豪快かつ多彩なマグロ養殖の仕事

現在は、養殖場で活躍するメンバー6人と、陸の網仕事などを中心に担うメンバー2人の、合計8人で回しているという岸本さんのチーム。その仕事内容は、餌やりから網の修繕まで多岐にわたります。

 

餌やりについては、「水温等に応じて給餌量は変える必要があります」と岸本さん。会社の定休日である土曜日・火曜日を除き、天気の良い日は給餌を行います。そして、出荷できる魚の在庫を踏まえ、次に育ってくるマグロのおおよその見立てをしながら、順次出荷作業を進めていきます。

さらに、網仕事も年間を通じて行う重要な業務です。養殖現場では毎年新しい網をつくり、使用後は手直しをする作業があります。網は定期的に洗浄して付着物を除去する必要があるため、丸久水産では2台のロボットを使用し、定休日以外は常時回して対応しているといいます。

このような通年の業務に加え、養殖現場では台風等による被害が生じることも少なくありません。生簀のロープが切れたり、沖の網が破れたりした場合には、岸本さんをはじめとするメンバーが潜水で現場まで行き、補修作業を行います。身体的な負荷も大きい潜水は、経験豊富なメンバーが体調に配慮した上で行っていきます。

 

「仕事のスケジュールとしては、出荷する本数がお盆と正月に増えるくらいで、年間を通じてそんなに変わらないかな。出荷本数は年度によって違うので一概には言えないけど、多い年は一回の取揚げで30本~40本。お盆と正月は、それが2~3倍になる。取引先のニーズに可能な限り応えようと、正月に船2隻で40本ずつ、80本あげた時もありました。

とはいえ、魚のサイズなどを見ながら調整しているので、魚を大きくするために出荷を止めることもあります。ちょうど今、マグロが30kg後半になってきたので、春くらいまで成長させようと出荷を止めているところです。何年も育ててきた魚を安売りしたくないので、『もうちょっと頑張って大きくしよう』という感じですね」


一本釣りでの取揚げは、まさに“豪快”の一言。取揚げたマグロは、約90秒とスピーディーにエラと内臓を除去する

取揚げたマグロは血抜き・神経抜きを行い、内臓を除去した上で、2~3時間ほど氷海水で冷やし込みます。その後、箱詰めされたマグロは、豊洲をはじめ大阪・名古屋・横浜といった各地の取引先に向け出荷されるほか、一部は地元の漁協や漁連、旅館等にも届けられます。

さらなる高みを目指し、質の追求は続く

より天然に近いマグロを目指して試行錯誤を続ける岸本さんは、「養殖魚は餌次第」だといいます。

「餌をあげる回数や、与えている餌の種類で身質が変わるんですよ。僕はいろいろ食べ比べてみて、できるだけ人間の手を加えていない餌のほうがいいと思っている。だから、できれば生きた餌をやりたいんだけど、リスクがあってできないので、なるべく新鮮な餌をいち早くやるようにしているんです」

 

しかしながら、近年の気候変動による海洋環境の変化により、従来は冬場にとれていたイワシやサバの漁獲量が減少。餌の確保という面では、厳しい状態が続いているといいます。

「正直、餌に関しては、全国的にかき集めているような状態。全国的に少ないものを養殖業者がとり合いしている状況だから、『こっちの餌のほうがいい』などと選べないんです。だから、現状では餌に関してできる工夫は、給餌日数や回数を変えて量をコントロールするくらいかな。

でも、考えてみれば、そもそも天然のマグロは毎日腹いっぱい餌を食べられないはずなんですよね。ということは、多少腹を減らしているストイックなマグロのほうが、逆に自然に近いのかもしれない(笑)。実際、取引先からも、『餌を多く与え過ぎないマグロのほうが天然に近いんじゃないか』という意見を多くもらっているんです。もちろん、まだ模索中で確信には至っていませんが、現在やっていることは間違いではないのかなと思っています」

自然を相手にする性質上、マグロ養殖でチャレンジできることには制約があるとしながらも、飽くなき探求心でさらなる質の向上を目指す岸本さん。コストや設備等の問題がクリアできるものならば、マグロに異なる餌を与えた場合の身質の違いを検証するなど、研究機関顔負けの実験もしてみたいと目を輝かせます。

「利益を上げないことには会社は成り立たないから、あまり趣味みたいなことはできないけど。でも、どうせこの仕事をやるなら上を目指したいなって。ほかにも、『マグロ養殖をやりながらほかの魚の養殖もできたら面白そうやな』と思ったり。いずれにせよ、新しい動きをするためには、今僕がやっている仕事を回せる人が必要になるんですよ。だから、そういう意味でも、僕を引き継ぐ人がいてくれるとありがたいんです」

 

それぞれの「考える力」を大切に、次世代をつなぐ担い手を育てたい

休日に社員の皆でBBQをしたり、地元の花火大会でわいわいお酒を飲んだりすることもあるなど、フレンドリーな仲間が集う岸本さんのチーム。現場では、2023年に大阪からTRITON PROJECTを通して就業した仲間も活躍しています。

「入って一年目は、操船や船のメンテナンスを含めて、マグロの餌やりを中心に担当してもらいます。その後で、網仕事や出荷作業をしたり、僕と一緒に潜水作業をしたりと、徐々に仕事を覚えていってもらいます。

僕は個人的に、どんな仕事であっても、円滑なコミュニケーションをとれる能力があれば大丈夫やと思うんですよ。うまくコミュニケーションをとって、人間関係を築けるかどうか、それが一番大事だと思います。うちにはややこしいメンバーはいないので、問題ないと思います」

2023年にTRITON PROJECTを通して就業した野口透弥さんも活躍中

「昔は、漁師の世界では『見て覚えろ』っていうことが多かった。でも、若い子からしてみれば、『見て分からんから聞いとるんやろ』っていう(笑)。僕も、新人の頃はそうやったしね。だから、“昭和のお父さん”というのか、ぶっきらぼうな姿勢で、丁寧に教える作業を煙たがるのはちょっと違うと思っている」

そう語り、現場では若手に「丁寧に教える」ことを心掛けているという岸本さん。その一方で、仕事においては各自の「考える力」を重視しているといいます。

「指導する時は、“一つ手前”まで教えて、自分で考える部分を作ったる。その答えを自分で導けるのか、それで試しとる(笑)。一つの内容でも、『この子はこんなに深い部分まで考えられるんやな、この年齢ですごいな』と思ったり。ただ言われたことをやるだけじゃなくて、考えて仕事を動かす側になる人が多いほど、質がどんどん上がっていくと思います。

現状は、餌やりから出荷、網掃除、生簀の管理まで僕が全般をみているけど、人間一人の考えでは足りないことが多いので、その中のいくつかを負担してくれる子が出てきたらうれしいですね。考える人が増えることで衝突が起きたとしても、結果的にいい方向にいけばいい。だから、僕の右腕・左腕、右足・左足がほしいですね(笑)。そんな、やる気のある若い子を育てたい」

大志に燃えるリーダーが率いる「みえまぐろ」の養殖現場は、若さと活気にあふれていました。大自然と対峙する“豪快な”フィールドで一人前の漁師を目指したい方、海を愛する先輩や仲間と共に成長したいという方は、ぜひご応募を!

 

募集情報
募集職種 漁師
給与 月給20万円~
試用期間:3ヶ月
試用期間中の給与:200,000円
福利厚生 社会保険、雇用保険、労災保険加入
盆正月決算期の年3回賞与あり
小型船舶免許 / 潜水士資格取得補助あり
仕事内容 マグロ養殖に関わる業務全般
(詳細)マグロの水揚げ・出荷作業・餌やり・養殖生簀の整備・網直しなど
勤務地 三重県度会郡南伊勢町奈屋浦
勤務時間 7:00〜17:00(2時間程度の休憩あり)
休日休暇 月7日程度 火曜日(隔週) / 土曜日 / 荒天日休み 盆休み / 正月休みは交代制
募集期間 2025年02月14日(金)~2026年02月14日(土)
その他 年齢:40歳以下(長期キャリア形成を図るため)
免許:普通自動車免許(必須)

(求める人物像)
チームワークを大切にできる人
海の仕事に興味のある人
会社情報
会社名 有限会社 丸久水産
住所 三重県度会郡南伊勢町東宮2647-77
Webサイト http://chokyu-suisan.com/contents/marukyu.html
選考方法
選考方法 TRITON JOBから応募いただきます

TRITON PROJECTよりメールにて連絡をします

TRITON PROJECT 公式LINEを追加いただき、チャットにてやりとりを開始

LINE内で、サポート窓口と電話での簡易面談

LINE内で、エントリーシートの提出をお願いします

書類選考・現地での面談・研修などの調整をします

選考の結果、合否をお知らせします

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