【三重/地域おこし協力隊/養殖】南伊勢町に新たな漁業を。牡蠣や海藻養殖にゼロから挑戦する漁師を募集

 

宮城県石巻市を拠点とし、新3K(=カッコよくて、稼げて、革新的)な水産業を実現すべく、担い手育成事業(TRITON PROJECT)をはじめとするさまざまな取り組みを仕掛けてきたフィッシャーマン・ジャパン(以下、FJ)。この度FJは、チーム結成以来初となる養殖プロジェクトを南伊勢町と一緒にスタートし、地域おこし協力隊としてFJ社員と共に活躍してくれるメンバーを募集しています。

新プロジェクトの舞台となるのは、三重県南伊勢町。豊かな自然環境に恵まれ県内トップの水産物の水揚げ量を誇るこの地で、今、どんな物語が始まろうとしているのか。現地で新メンバーを迎えるFJの川鍋一樹さんが、本プロジェクトの魅力を語ります

フィッシャーマン・ジャパンが南伊勢町で目指す「新しい漁業」

FJが南伊勢町における漁師の担い手育成事業に着手したのは、2022年のこと。以降、本拠地・石巻で培ったノウハウを生かし、地元の漁師さんのお話をうかがいながら、求人記事を作成したり、一泊二日の漁師体験を開催したりと、水産振興のためのさまざまな取り組みを進めてきました。

そんな中、南伊勢町を舞台に「新しい漁業」を創出すべく、FJはチーム初となる養殖プロジェクトを開始しました。そこには、どのような背景と狙いがあるのでしょうか。

「巻き網漁や定置網漁が盛んに行われてきた南伊勢町は、三重県一の水産物の水揚げ量を誇る漁業の町です。しかしながら、気候変動などの影響により全国的に水揚げ量が減少する現在、南伊勢町も例外ではありません」

 

南伊勢町の水産業がおかれた厳しい状況について語る川鍋さん。名産品であるイセエビの漁獲量も減少して水揚げが不安な中、環境に適応した養殖漁業を確立し、地域の水産業を持続可能なものにすることが重要な課題となっているといいます。とはいえ、養殖漁業も一筋縄ではいきません。

「南伊勢町で養殖といえばマダイやシマアジ、アオサ、真珠などが盛んですが、これらの養殖においても、海洋環境の変化による影響が出始めています。例えば、水温が上昇すると、マダイの魚病のリスクが上がってしまう。また、近年では真珠養殖で大きな真珠ができにくくなってきているという状況もあります。海がどんどん変化して従来のやり方が通用しなくなっていく中、次々に新しい手法を開発し、稼げる漁業を展開していくことが必要なのです」

 

種苗センターから水産ベンチャーまで、一丸となって取り組むプロジェクト

南伊勢町における新しい養殖漁法の開発について重要な役割を担っているのが、南伊勢町役場の「種苗センター」です。種苗センターでは、魚や貝の種苗生産・中間育成のほか、魚病診断や漁業活動の相談・試験、さらには、地元の小・中学生を対象に稚魚の放流や真珠の核入れなどの漁業体験を行う「水産学級」も実施しています。川鍋さんは、「町営でこのような設備・機能を備えた研究施設をもっているのは珍しい」といいます。

種苗センターには水槽が数多くあり、ヒラメの種苗生産やアワビの中間育成を行っています。

 

「FJは当初、水産業の担い手育成について南伊勢町との協業をスタートしましたが、水産業に対するさまざまな課題について相談をいただく中で、種苗センターの運用にも関わらせていただくようになりました。現在は一緒に業務を行い、センターや町の皆さんと『センターの業務をどのようにアップデートしていくか』を話し合いながら、新しい水産業の在り方について検討しています」

さらに、このような種苗センターの存在に加えて、近年ではさまざまな養殖技術を積極的に生み出す水産ベンチャーも登場しているといいます。

「ベンチャー企業、種苗センター、漁協、地元の漁師、FJが手を組み、新手法を南伊勢の海で試して、広く展開していく。今回のプロジェクトはそんなイメージです。実際の業務に当たっては、水産ベンチャー・種苗センターだけでなく、地元の漁協である三重外湾漁協や漁師さん、県の職員などとも関わることになるでしょう。さらには大学等の研究機関など、必要に応じて多くの人々を巻き込みながら進めていきたいと考えています」

種苗センターの職員さんも気さくに相談に乗ってくれます。

 

このように、多くの関係者が連携し、まさに地域が一丸となって取り組む本プロジェクト。このプロジェクトが成功事例となれば、各浜にも展開することができ、南伊勢町で漁師になりたい人の受け皿を増やすことにもつながります。

地域の未来に向けて大きな期待がかかる本プロジェクトですが、今回の求人のポイントは、「一人ではなくFJの一員として仕事ができること」だと川鍋さんはいいます。

「一般的に地域おこし協力隊は一人で任務に当たることが多いですが、今回はFJの一員として活動していただくのが大きな特徴です。FJの先輩や役場の担当職員とともにチームとして仕事をしていくので、決して一人きりで目標達成に向き合うわけではありません。皆がフォローするので、安心して挑戦していただきたいですね」

この3人が南伊勢町の事業に関わる。明るくエネルギッシュなメンバーが、未経験者も丁寧にサポートします。

 

地域社会との信頼関係をベースに、幅広い活躍を期待

本プロジェクトでは、具体的にどのような業務に携わることになるのでしょうか。川鍋さんは、新たに入職する地域おこし協力隊の業務として、牡蠣養殖や海藻養殖などの養殖事業から町内の水産振興の取り組みまで、幅広く想定していると説明します。

「例えば、牡蠣の養殖では一般的にロープを使用する垂下式という方法がとられるのですが、最近ではバスケットを使用する手法が出てきました。南伊勢町でもこの手法を導入していきたいと考えています。このほか、試験養殖の筏づくりや漁場整備、仕入れから販売までの全般の管理を担っていただくとともに、生産計画や人員計画の検討も一緒に行っていただきたいと考えています」

「もちろん、牡蠣のみに限定するわけではなく、順次ほかの領域にも取り組みを広げていきたい」と語る川鍋さん。また、これらの業務にとどまらず、FJが企画するイベントのサポートや磯焼け対策など、水産振興に寄与するさまざまな取り組みでの活躍に期待を寄せているといいます。

「そして、全ての業務の基盤として何よりも重要なのが、地域の皆さんとの関係づくりです。南伊勢町の水産業について知るとともに、漁師さんや役場、種苗センターの皆さんなど関係者と積極的にコミュニケーションをとり、信頼関係を構築することがプロジェクトの第一歩です」

現場では漁師や役場の職員とともに業務を行い、作業に慣れていきます。

 

南伊勢の豊かな自然の中で、水産業の未来を共につくろう

「南伊勢町は飲食店などは多くないのですが、そのおかげで自炊をするようになりました」と現地での暮らしについて語る川鍋さん。休日は海でサーフィンをしたり、伊勢神宮を訪れたり、地元ならではの豊かな自然や名所を楽しんでいるそうです。「南伊勢町だからできることが、いろいろありますね。新規の養殖開拓にしても、町内の人が協力的なこの地域だからこそ、挑戦できることがたくさんあります」

大きな可能性を秘めた南伊勢の水産業。川鍋さんをはじめとするFJのメンバーは、この地でともに挑戦してくれる新たな仲間との出会いを楽しみにしています。
「今回のプロジェクトは、一つの事業者や個人ではなく、さまざまな人たちが一丸となって新しい養殖事業に挑むという画期的な取り組みです。ベンチャー企業もくる、大学の専門家もくる、そして地元の漁師や住民と融合いていくというオープンな漁業は、まさに市民科学の実践の場。この絶好の機会を生かして、皆で楽しくやりたいですね!」

FJの理念に共感してくれる方の挑戦をお待ちしています!

 

募集情報
募集職種 漁師
雇用形態 地域おこし協力隊
給与 年収279.6万円
◆年間2,796,000円 (基本報償費:233,000 円/月)
※1 時間外手当、退職手当等はありません。
※2 活動日数が16日/月に満たない場合は日割り計算により支給します。
福利厚生 ① 活動経費
協力隊活動に要する経費は、町から隊員へ交付する「地域おこし協力隊
事業補助金」から支出します。
補助金額 上限 1,736,000円/年
※委嘱内容や予算に応じて調整します。
② 住居
町と協議のうえ町内に住居を決定し、家賃は活動経費から支出します。
※1 転居にかかる費用、光熱水費、自治会費等は本人負担とします。
※2 住居は借家や町営住宅などを想定しています。
③ 自家用車
自家用車は原則隊員本人所有の車両を使用してください。自家用車を所
有していない人は活動経費でリースすることも可能です。
※活動時も自家用車を使用していただくことがあります。
④ 保険・年金
社会保険や雇用保険には加入しません。各自で国民健康保険、国民年金
に加入することとし、その経費は本人負担とします。
なお、活動中の傷害保険等には必ず加入することとし、その経費は活動
経費から支出することができます。
⑤ その他
▪ 生活に必要な経費は本人負担となります。
▪ 兼業については、協力隊活動に支障がない範囲で可能とします。事前
に担当課へ連絡してください。
▪ 活動について、疑義や問題が発生した場合は、協力隊員と町、受入事
業者等の関係者で協議して対応します。
仕事内容 <1年目の主な業務>
①キーパーソンとの関係構築
生産を行う上でもっとも重要なことの一つに、地域のキーパーソンとの関係性構築があります。漁師さんや水産業関係者と気軽に話せるようになり、良い関係を築くことが業務の基盤となります。漁業は地域全体で助け合いながら行われる部分が多いため、「お互い様」の関係性を築き、困ったときに支え合える信頼関係をつくることが欠かせません。また、新しい取り組みを進める上では、地域の中で知り合いを増やし、応援してもらえる土台を整えることが重要です。さらに、役場や技術指導者とも密に連携し、地域全体が一丸となって取り組める環境を作っていきます。具体的な業務イメージは以下を予定しています。

・FJメンバーが関係を築いてきた漁師たちと仲良くなる
・各漁村集落の漁師のリーダーを務める管理委員さん等への挨拶
・技術指導を受ける専門家
・役場や水産種苗センターの職員
・関係者の顔と名前を覚え、連絡を取り合える関係になること


②新規漁業開拓(牡蠣養殖や海藻養殖など)
「生産部門メンバー」の主な業務です。新しい漁業の形(事業・養殖)を創出するにあたり、試験養殖の筏づくりや漁場整備、仕入れから販売までの全般の管理を担ってもらいます。事業を拡大していくために必要となる生産計画や人員計画の検討も一緒に行ってもらいます。

・試験養殖の器具の準備、筏設置、漁場整備
・仕入れから出荷までに関する現場での作業(サイズごとの選別、器具の設置や掃除、海洋環境&生育具合の確認、日々の記録)
・生産計画、人員計画の検討
・関係各所(連携企業、町、漁師)との諸々調整


③その他の業務
町内の水産業振興の取り組みにおいて、FJが関わるその他の業務にも一緒に関わってもらいます。

・磯焼け対策に関する取り組み
・一次産業に関連する複業づくり(町の中での循環新しい水産飼料の開発、水産資源の堆肥化など)
・漁業者へのヒアリング(現状把握や課題抽出など)や漁師とのコミュニティづくり
・FJが企画するイベントのサポート
〈会議の運営・記録〉
・チームMTGのセッティングと議事録作成(週2回程度)
〈研修や報告〉
・宮城県石巻市で2週間程度の初任者研修
・地域おこし協力隊としての定例会議(月1回)や研修
・月報等の報告書の作成
・経費精算書の作成(毎月5日締め切り)

◎1 週間のイメージ(1 年目)
生産者としての基礎を身に付けるため、海に出て現場での知識を身につけ
ていきます。会議や書類作成もあるため、デスクで作業する時間もありま
す。
月曜日:牡蠣養殖業務(サイズごとの選別、生育状況の記録)、地域の漁
師と交流&意見交換
火曜日:定例 MTG(議事録作成、作業内容の確認)、海のデータ確認&分析
(水温、プランクトンなど)
水曜日:定例 MTG(隔週)、牡蠣養殖業務(器具の掃除、生育状況の記録)
木曜日:海藻養殖用の筏設置、イベントのサポート
金曜日:牡蠣養殖業務(サイズごとの選別、生育状況の記録)
土曜日:休み ※天候に応じて土日勤務あり
日曜日:休み ※天候に応じて土日勤務あり
勤務地 三重県南伊勢町
勤務時間 ① 活動日数:20日程度/月
② 活動時間:概ね8時間程度
※1 土日祝日が活動日となることもあります。
※2 活動開始時間・終了時間及び休日は活動状況により変動します。
募集期間 2024年12月05日(木)~2025年02月07日(金)
その他 【雇用形態・期間】
・「南伊勢町地域おこし協力隊」として町より委嘱します。
・町との雇用関係はありません。
・初年度の委嘱期間は委嘱日から年度末(3月31日)までとします。
・任用開始は原則として令和6年3月〜4月(応相談)
・期間は更新することができ、最長3年間とします。


【募集対象】
学歴不問 未経験歓迎

必須条件 
・普通運転免許
・あきらめず、投げださず、続ける気持ち
・地域に住んだ経験や、ゼミや研究室などを通じて地域でフィールドワークをした経験がある
・地域おこし協力隊の任用要件(生活の拠点を3大都市圏をはじめとする都市地域等から南伊勢町内へ移し、住民票を移動することができる人。地域要件については、総務省が設定している基準による) 

歓迎要件 
・誰とでも元気に挨拶ができ、雑談を楽しめる
・相手の話をさえぎらずに、最後まできくことができる
・ワード、エクセル、パワポでの業務経験がある
・小規模なイベントの企画・運営経験がある
・漁業や魚の知識・職歴(好奇心を持って覚える気持ちがあればOK)
・日本語で文章を書くこと、書類を作ることが苦ではない
会社情報
会社名 フィッシャーマン・ジャパン
住所 宮城県石巻市千石町8-20
Webサイト http://fishermanjapan.com/
通販サイト http://store.shopping.yahoo.co.jp/fishermanjapan/
選考方法
選考方法 TRITON JOBから応募いただきます

TRITON PROJECTよりメールにて連絡をします

TRITON PROJECT 公式LINEを追加いただき、チャットにてやりとりを開始

LINE内で、サポート窓口と電話での簡易面談

LINE内で、エントリーシートの提出をお願いします

書類選考・応募先との電話面談などの調整をします。

第 1 次選考(書類審査)
※結果については応募者全員に2月14日頃までに通知します。

第2次選考(面接審査)
選考日:令和7年2月26日(予定)

最終選考結果の通知
第2次選考から概ね 1 週間後に文書で通知します。
※1 選考に要する交通費及び宿泊費等は、本人負担とします。
※2 選考結果と同時に、合格者には採用までの流れを連絡させていただきま
す。
※3 住民票の異動は、必ず委嘱日以降に行ってください。それ以前に住所を
異動すると応募対象者でなくなり、取り消しとなる場合があります。

【三重/地域おこし協力隊/養殖】南伊勢町に新たな漁業を。牡蠣や海藻養殖にゼロから挑戦する漁師を募集

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