牡蠣養殖からオイスターバー経営まで。究極の6次化を目指す海遊が加工職を募集。
宮城県石巻市雄勝町・水浜に拠点を構える「株式会社海遊」は、牡蠣を中心にムール貝やホヤの養殖・加工・販売を手がける水産加工会社です。
しかし、単なる加工会社ではありません。代表の伊藤浩光(ひろみつ)社長は、震災前から、漁業者でありながら、生産から加工、販売までを一貫して手がけ、水産業界における6次産業化の先駆け的な存在となっています。
実際に取材に訪れてみると、水揚げされた牡蠣を蒸したり、ムール貝を磨く作業が盛んに行われていました。
現場には10名以上の方がおり、とても明るい雰囲気。
伊藤社長の奥さんである史穂(しほ)さんも活躍しています。
海遊で働いて5年目となる史穂さんですが、現在は取締役として会社の経営にも携わりながら、現場の発送作業、または営業まで尽力。
水産庁の水産女子メンバーにも登録されており、根っからの水産業好きです。
さらに、仙台では海遊直営のオイスターバー「オストラデオーレ」を経営。
産地直送の新鮮な牡蠣を提供し、女性客を中心に人気を集めるなど、漁業者の枠に止まらない活躍ぶりを見せています。
そんな海遊で今回募集するのは、6次化の要とも言える加工を担うスタッフ。
なぜ6次化を始めたのか、どんな仕事をすることになるのか。伊藤社長にお話を伺いました。
ものをつくるだけではお金にならない。
海遊が6次化を始めた理由は、伊藤社長が家業に戻ったときにまで遡ります。
卒業後、もともと公務員として働いていた伊藤社長。その後、運送業界へ転職し、20年以上にわたり運送業に携わってきました。
しかし、ご両親の怪我をきっかけに、家業である漁業を継ぐことを決意。2004年、43歳で漁師としての人生をスタートさせました。
「家業に戻って初めて売上を見たとき、その低さに驚いたよ。せっかくいいものを作っているのに、買い叩かれている。この現状をどうにか変えたいと思ったね。当時、農業の6次化は進んでいたけど、水産業ではそんなにって感じだった。じゃあ水産業でも加工・販売を自分たちでやって6次化していけば、もっと高く販売できるようになるんじゃないかって思った」
販路を広げるべく、駅前で海産物の販売イベントを企画・開催したり、ホヤの韓国輸出を始めた伊藤社長。さらに、営業活動も自ら行い、牡蠣を持って東京へ飛び込み営業に出向くこともありました。
「1回じゃ全然相手にしてくれないさ。2回断られて、3回目になんとか認めてもらえたというお店もある。ものを作るだけではお金にならない。売って初めてお金になる。それが6次化。ブランドを作るためなら、自分の顔も何もかも売ってやろうという気持ちだったよ」
そして2014年には、仙台の繁華街にオイスターバーを開業。漁業者でありながら飲食店を経営するという異例のことにも挑戦し、海遊のブランドはどんどん大きくなっていきました。
一見順風満帆のようにも見えますが、「そうではないよ。挫折の連続だよ」と苦笑いする伊藤社長。2011年に起きた東日本大震災では工場など全てが流出。震災から復興を遂げてきたタイミングで、ノロウイルスの風評被害が発生。そこからさらに新型コロナウイルスが蔓延し、思い通りに販路開拓・営業できないことも多々ありました。
「宮城県内の飲食店もたくさん潰れたし、海遊でも営業所を閉じるという事態に追い込まれた。でもあきらめるわけにはいかないだろ。その度にできることを考えて、困難を乗り越えてきた」
海遊を動かしてきたのは「誰もやっていないからこそやってやろう」という精神です。初めてのことに失敗はつきもの。海遊の成長は失敗とともにあります。2018年250トンだった出荷数量は、現在500トン。海遊ではさらに販路を拡大していく方針です。海遊の6次化の物語はこれからも続いていきます。
海遊は世代交代の最中。加工部門を担うメンバーを募集。
今回募集するのは、6次化の核である加工業務を担い、将来的には取締役として会社を引っ張ってくれるような人材です。
現在、海遊では蒸し牡蠣や蒸しムール貝などの加工品の売れ行きが好調な一方で、しばしば商品がなくなり、売り切れの状態が続くといったことが起きています。「せっかく販路はあるのに生産が間に合わないんだよ」と話す伊藤社長。特に蒸し牡蠣は東京の有名な惣菜店でも使われており、さらなる生産量の拡大が急務となっています。
現在、活出荷の割合が全体の8割を占め、加工品は2割ほどですが、今後は加工品の販売比率を3割まで引き上げることを目指しています。そのために、加工部門の強化が必要不可欠です。
「具体的な業務としては、牡蠣の出荷・加工を担当してもらうかな。まずは、製品の良し悪しを見分ける作業からスタート。原料の牡蠣を一つひとつ手作業で選別したあとは、機械を使って加工してもらう。新しい機械も増やしているので、効率よく加工できる仕組みが整いつつあるね」
「仕事を覚えてもらった後は、どんどんチームを引っ張っていってほしい。いま海遊では、30〜40代への世代交代をしている途中なんだ。営業も飲食店も30〜40代が中心メンバー。加工場でも次の世代を育てたい」そう期待を込めて話してくれました。
最後には「ちなみに加工場で働くと、牡蠣の現物支給があるよ」と教えてくれました。「牡蠣にはストレス解消の効果がある。特に蒸し牡蠣にすると、人間の体が亜鉛を吸収しやすくなるから、どんどん食べた方がいいんだ(笑)。加工を担当すれば、ある意味食べ放題だよ」
トレーニングジムの利用無料、お風呂、サウナの使用も無料です。
漁村にさらなる雇用を生み出すために。
海遊が6次化を進めてきた背景には、雄勝という漁村の高齢化問題があります。
「どこの漁村でもそうだけど、どんどん人が減っている。漁村からの人口流出を防ぐためには雇用を生み出さなければならない。昔は船が漁村の雇用を支えていたけど、いまはその船も少なくなった。今漁村に必要なのは会社なんだよ。だから会社を大きくして、若い人を採用する仕組みを作っていきたい」
今後、海遊ではホテルへの牡蠣の販売を強化していく方針です。かつては牡蠣というだけで断られることもあったと話します。
「今はホテルでのムール貝の取り扱いも増えてきている。ムール貝の次は牡蠣の加工品。加工品の次は生牡蠣。そんな風に販路を拡大していきたい。俺が生きているうちに実現できるかはわからないけどな(笑)。それに今は海洋環境の変化や温暖化という問題もある。販路拡大だけでなく、新たな事業にも取り組まなければならない。その中には、輸入業や外国人技能実習生の受け入れもあるし、温暖化に対応した養殖方法の研究も進めていくつもりだよ」
また、海遊では日本国内だけでなく、海外でも養殖の可能性を模索しています。「雄勝だけで成功しても意味がない。『ここだからできるんでしょ?』と言われないように、他の地域や海外でも同じ仕組みを展開できるようにしたい。」そう語る伊藤社長の目は、未来を見据えています。
こうした大きなビジョンを実現するために、海遊は新たな人材を求めています。水産業が未経験でも挑戦してみたい、新しい水産業の仕組みづくりに関わりたい――そんな思いを持つあなたを、海遊は待っています。
海遊のホームページはこちら
オストラデオーレのホームページはこちら
募集職種 | 牡蠣・ムール貝等の水産加工員 |
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雇用形態 | 正社員(幹部候補生) |
給与 | 月収18万円 試用期間あり(3か月、時給1,000円) 業績により昇給あり 初年度は残業代込みで22~23万円支給想定 昇進後は役職手当もあり 交通費支給 |
福利厚生 | 社会保険等完備 交通費支給 健康診断(年1回) 通勤等に使用する車は無償にて貸出可能 トレーニングジムの利用無料 お風呂。サウナの使用無料 海産物支給あり |
仕事内容 | 海産物(牡蠣・ムール貝)の加工作業 |
勤務地 | 宮城県石巻市雄勝 |
勤務時間 | 8:00~17:00 ※勤務時間については相談に乗れる場合あり ※月に20~30時間程度残業あり |
休日休暇 | 週休2日制(日曜日、他シフトで1日)、有給休暇あり(6か月後に10日付与)、年末年始休暇(12/31~1/3)) |
募集期間 | 2025年03月12日(水)~ |
その他 | 若年層のキャリア育成のため45歳以下の方の募集 普通自動車運転免許必須 |
会社名 | 株式会社 海遊 |
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選考方法 | TRITON JOBから応募いただきます ▼ TRITON PROJECTよりメールにて連絡をします ▼ TRITON PROJECT 公式LINEを追加いただき、チャットにてやりとりを開始 ▼ LINE内で、サポート窓口と電話での簡易面談 ▼ LINE内で、エントリーシートの提出をお願いします ▼ 書類選考・現地での面談・研修などの調整をします ▼ 選考の結果、合否をお知らせします |
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