「最初は嫌でしたね。逃げようと思ったけど、逃げられなかった。嫌いなものほど、いつもそばにある」
本田智章さん、40歳。
海苔漁師の家の長男として生まれた智章さんですが、家業を継ぐという選択肢はもともとありませんでした。
「家の仕事が好きじゃなかった。高校を卒業して、IT関係の専門学校に入ってサラリーマンになったんですけど、続きませんでした。与えられた仕事をこなすだけで、ああしよう、こうしようって、体が動かなかった。とにかく窮屈でしたね」
人よりも失敗はたくさんしてます、と苦笑いする智章さんが家の仕事を本格的に手伝いはじめたのは、二十代後半になってからでした。
「今まで、理屈じゃなくて嫌いって目を背けていた海苔養殖の仕事と向き合ってみたら、めちゃくちゃおもしろかった。嫌いなものほど、目がいってしまう。じゃあなんで嫌いなのかなって考えると、そこから学ぶことが多いんですよ。嫌いだったものが好きになったとき、人は元気になる。だから今、仕事が楽しいです。海苔養殖、おもしろいですよ」
2011.3.11 誕生日に人生が変わった
この日は智章さんの30回目の誕生日。
そして、智章さんの入籍予定日でもありました。
「いろんなものが狂いましたね。同時に、人生観が変わりました」
家や仕事道具を失い、残ったのは身一つ。
予定よりも大幅に遅れて入籍をし、身内だけのささやかな式をあげた智章さんは、一次産業への想いを新たに仕事に打ち込むことになります。
「自分の残ったこの体が財産なんだって。そんな自分の体を作っているのは、食べ物じゃないですか。食べ物を作るという仕事に自分が携わっているんだっていう誇りというか・・・強い想いが芽生えました」
この世界には、どうしようもない自然の力があります。
その力に怯え、途方に暮れ、ときに立ち尽くすこともあります。
それでも、漁師たちは自然への感謝を忘れません。
「結局、養殖業は自然からの恵みをいただいている。自分たちは少しだけサポートをしているだけです」
智章さんは、育てることが難しいと言われている「アカツキ」という海苔の品種にも挑戦しています。
先輩の漁師たちは、智章さんのことをこう語ります。
「研究熱心で、とにかく努力家。みんなが嫌がる仕事も率先してやってくれる」
たくさん回り道も、選り好みもしたからこそ、智章さんは今、心からこの仕事が好きだと言えます。
震災から10年。智章さんは今年40歳を迎えました。
高齢化が進む海苔養殖業界では若手ですが、水産業界の未来を危惧し、次世代を育てなくてはという思いがあります。
「一瞬だから、人生は」
海苔養殖は一人でできる仕事ではありません。
一緒に考えて、動ける人。
支え合って、助け合える人。
そんな仲間を、智章さんは求めています。
嫌いを好きに変えてしまった海苔漁師と一緒に、水産業の未来を変えてみませんか?
(文・撮影/高橋由季)
※2017年11月に取材したものを再編集しました。
海苔養殖についてはこちら
https://job.fishermanjapan.com/column/984/
募集職種 | 漁師 |
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雇用形態 | 正社員・フルタイム |
給与 | 月収25万~30万円 ※3ヶ月の試用期間あり |
福利厚生 | 乗組員厚生共済, 寮あり(TRITON WATANOHA) |
仕事内容 | 海苔養殖 |
勤務地 | 宮城県石巻市渡波字祝田 |
勤務時間 | 繁忙期(9月〜4月)5:00〜15:00、閑散期(5月〜8月)7時〜16時 ※変動あり |
休日休暇 | 不定休(年間60日程度※主に荒天日)、盆休み、元日休み、閑散期は日曜休み |
募集期間 | 2019年04月01日(月)~2024年06月25日(火) |
その他 | フィッシャーマン・ジャパンが運営するシェアハウス「TRITON WATANOHA」より車で5分 |
会社名 | 弥生丸 |
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住所 | 宮城県石巻市渡波字祝田 |
社員数 | 3人 |
選考方法 | TRITON JOBから応募いただきます ▼ TRITON PROJECTよりメールにて連絡をします ▼ TRITON PROJECT 公式LINEを追加いただき、チャットにてやりとりを開始 ▼ LINE内で、サポート窓口と電話での簡易面談 ▼ LINE内で、エントリーシートの提出をお願いします ▼ 書類選考・現地での面談・研修などの調整をします ▼ 選考の結果、合否をお知らせします |
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