【宮城／求人／水産加工】水産業のイメージを覆す！ ハッピーでフレキシブルな職場を目指して

石巻市は水産業の街です。
豊かな海で行われる漁船漁業に、地域の特性を生かした養殖業。
忘れてはならないのは、それらの海産物を水揚げできる大きな魚市場があり、その魚を買って流通させる加工会社がたくさんあるということです。

「石巻は加工会社の種類や業者数が多い。これだけ大きな魚市場であっても、たくさんの業者がいるから物量もこなせる。業者数が少なくなったらせっかく漁師が石巻に魚を水揚げしても処理できなくなって、どんどん衰退していくのは明らか。買い手がいなかったら魚の値段は下がってしまうし、それによって石巻のブランド価値も下がってしまう」

そう語るのは、ミノリフーズ株式会社の渋田大和社長（38歳）。
創業18年。2代目となる若き社長は、目の前の自社の利益だけでなく、地域の水産業を見据えて物事を考えています。

「昔から加工屋と漁師は魚の値段で喧嘩しがちなんだけど、本来は漁師と加工屋は一心同体。お互いをもっと知って、勉強して、コミュニケーションをとって、切磋琢磨していくことで、水産業全体を活性化させていくことができるんじゃないかと思っています」

ミノリフーズの従業員は約60名。工場・製造の現場のスタッフは48名。
そのうち半数はベトナムや中国からの実習生を迎え入れています。

比較的若い世代が活躍する会社ですが、つい最近までは29歳になる営業部の木村一成さんが一番の若手でした。木村さんは言います。

「23歳で入社したので今年で７年目。ずっと自分が一番下でした。最近若い子が入ったんですけど、会社が人を受け入れられる体制がようやくできてきたので、今から入る子には働きやすい職場だと思います。自分をはじめ、相談できる人がいるということは働く人にとって大きいんじゃないかな。社長にはなんでも相談できますね」

木村さんが語る姿を横で見ている渋田社長。うんうんと頷いたり、「７年になるの！？」とショックを受けたり。
社長というよりも、なんだか人懐っこい“お兄ちゃん”という感じです。

なんでも話せる。
なんでも挑戦できる。

それがミノリフーズ の職場の持ち味です。

幸せな働き方を社員と見つける
渋田流・働き方改革

ミノリフーズは、真鱈、銀鮭、秋鮭などが主力選手です。
前浜で水揚げされるさまざまな魚を買い付け、その日のうちに切り身、冷凍、刺身、加熱加工品など、要望に合わせた処理を行っています。取引先は、大手回転寿司チェーン店や全国の飲食店、スーパーなど、私たちの生活におなじみのものもあります。近年急成長を遂げている加工会社のひとつです。

渋田社長が目指すのは、ミノリフーズで働く人がみんな「ハッピー」であり、それでいてきちんと利益も出せること。
従業員の「ハッピー」なくして会社の「幸せ」はあり得ないと断言します。

「昔はガンガン働いて、俺についてこーい！って感じだったんだけど、あるときふと、自分が従業員だったらこんな上司やだな……と思って。職場環境を見直すようになりました。従業員たちの悩みや不満を直接聞き出せる場所があるといいかなと思って保健室を作ろうと思ったんです。でも外部の人に話すんじゃなくて、俺自身が話を聞くのが一番いい方法だなと気づいて。社員にはなんでも話してほしい、って言ってるんです。疲れていても、いつも笑顔で、うんうんって話をじっくり聞く。『俺はちゃんと見てるよ』『頑張ってるじゃん』って認めてあげて、背中を押してあげれたらいいなと。最初からスーパーマンになれる人はいないですからね」

渋田社長が一人ひとりの悩みと向き合うことは、社内の問題点を把握し、改善することにも繋がりました。最近では何か問題が起こったときに、社員同士で考えさせるということも大事にしてるのだとか。その結果、一人ひとりの考える力や結束力もUP。生産効率も上がって売り上げも右肩上がりに……！　さらに渋田社長は、利益率を上げつつ、もっと自由に働ける魅力的な職場にしたいと考えています。

「今までの加工会社で言うと、８〜17時というのが普通の働き方。加工場は、稼働すれば稼働するだけたくさん魚を処理できるから、売り上げに繋がります。今後、７〜22時までを工場が稼働している時間にして、そのなかでシフト編成をして、効率良く働いてもらおうと思っているんです。１日の時間は限られているけど、工場の稼働時間を長くしたら利益率は上がるし、自分の好きな時間に働けることで、プライベートの時間が充実できたり、主婦や高校生もアルバイトができたり、いろんな人に働いてもらえるようにしたいなと。今までの水産業ってマンパワーで、さぁ水揚げがあった！やれみんなで出荷だ！やれ終わるまで残業だ！っていうやり方だったけど、今の世の中に合わない。早く帰ろうが、遅く帰ろうが、自分が働きたい時間に働けるようにしたら、『こんな忙しいのに休みやがって』という感情もなくなる。それぞれの考えに合わせた働き方を導入していこうと思っています。工場の稼働が長くなれば、管理者も複数必要になってくるから、管理者になるという現場のチャンスも増えますしね。雇う側として、いろんな働き方に応えられたらいいなと思ってるんです」

すでにそんな働き方を実施している人もいます
品質管理担当の小松さんは、ミノリフーズに入社して2年目。小さなお子さんを持つお母さんです。

「前職では建設会社で事務をしていました。子供の送り迎えの時間や家族との時間を持つことを考えると、もっとフレキシブルに働ける環境が必要だったんです。転職活動をする中で、ミノリフーズに出会いました。事情を話すと『そういうことであれば、自分の入れる時間に入るという形でいいよ！』と言ってくれたんです。工場の現場の先輩方も、『なんかあったら子ども連れてきなさい、私が面倒見てあげるから！』と言ってくれました。すごくありがたいです。月に１回、工場で働く全員が集まってそれぞれの意見を言う機会もあるんです。そういうのがあるのもすごくいいなって思います。海外実習生の子も、複雑な日本語がわからない子には先輩が通訳で入ってみんなが理解できるように協力しているんですよ。だから言語の壁を感じることもないですね」

カメラに向かってピースをする実習生を見て、「すっごくかわいいでしょ。みんな本当に素敵な子たちなんですよ〜」と微笑む小松さん。品質や衛生面を管理するための菌検査等の徹底だけでなく、火事や自然災害が起きた時の対応を考えたり、マニュアルを作るといった仕事まで幅広く担当しています。女性ならではのきめ細やかさや、職場のやわらかさがあるのも、働きやすい環境を整えているミノリフーズ ならではの光景です。

学歴も能力も関係ない。
頑張る姿勢こそ、信頼される

「水産加工」と聞くと、なんとなく薄暗い加工場の印象がありましたが、ミノリフーズはそのイメージを刷新するような明るくて清潔感のある職場。スタッフの人もみんな明るく親切に対応してくれます。

今後シフト制を導入していくということもあり、ここでの募集はあえて職種も、年齢も、性別も言及しません。

その代わり、どんな人でも必ず最初は工場内の仕事から入ってもらいます。会社の仕事をまずは理解すること。その上で、自分がこの会社で何をしていきたいかを考えてもらって、一緒に実現していきたいと渋田社長は考えています。

「この小さい建物の中をひとつの世界と思ってください。まずはこの中で信頼を得ること。何も難しいことではありません。毎日元気に挨拶をして、一生懸命動けば、みんなが認めてくれます。大事なのは、仕事の能力よりも人間性。『あいつ毎日一生懸命がんばってるよな』と認めてもらって、人間としてのスキルをあげてほしいなと思っています。それができたら、外の世界に踏み出すでもよし。何かを極めるでもよし。長所を生かせる職種・職務を一緒に考えましょう。俺も新しいものが好きだから、ECサイトを立ち上げましょうとかでもいいし、今までにない発想が実現できたらいいですね」

水産加工会社で働く上で、魚好きのほうがいいですよね？と尋ねると、渋田社長は首をブンブン振って一蹴します。

「魚が好きか嫌いかよりも、魚を利用してビジネスを考えられるかです。今まで水産業や加工に興味がなかった人にもぜひ来てもらいたいですね」

学歴は関係ない。魚に関して詳しくなくてもいい。
望むものはズバリ、一緒に成長していける人材。

最後に渋田社長がポツリと言いました。

「定年を迎えて退職するときに、俺、ミノリフーズで稼いでよかったって言われるのが夢なんです」

渋田社長を見ていると、記憶の彼方にある近所の“お兄ちゃん”を思い出します。
誰かがいじめられていると怒鳴り込んでくれたり、危ないことをすると叱ってくれる。頼もしくて愛すべき、みんなの“お兄ちゃん”。

これからやって来る若者に言えるのは、渋田社長が見ているところなら、安心して転べるよということ。きっと転んだあとには、「どうだ、痛いだろう？」と、ニコニコ手を差し伸べてくれる。そんな姿が目に浮かびます。

目指すは、従業員がハッピーな世界。
若き会社、若き社長と一緒に、新しい水産加工会社の形をつくってみませんか？

（文＝高橋由季、写真＝Funny!!平井慶祐）
※取材は2021年7月に行いました。