【高知／漁師求人／かつお一本釣り】上を目指せる乗組員募集！

高知県の近海かつお一本釣り漁船、第八日昇丸と福吉丸が乗組員を募集します。

近海かつお一本釣りは、黒潮に乗って回遊するカツオを追いながら、釣竿で一本一本釣る漁業です。
漁期である2〜12月は船で寝泊まりしながら、春先は南西諸島や伊豆諸島、房総半島沖、夏から秋は三陸沖で漁をし、千葉県勝浦や宮城県気仙沼に水揚げします。

目視でカツオを探す一本釣りの仕事は、夜明けから日没まで。夜明け前に起床して忙しく朝ご飯をかきこんだら、各自持ち場につきます。船頭（漁労長）がレーダーを使ってカツオのいそうな場所に船を向かわせるあいだ、乗組員たちは船の上から双眼鏡をのぞきこみ、鳥の群れや水面の微妙な変化を手掛かりに、カツオの群れを探します。

カツオの群れを見つけたら、船を群れに近づけ、いよいよ一本釣り漁の始まり。ホースで海面に散水し、生きた小イワシを投げ入れると、興奮状態になったカツオたちが釣り糸の先についた疑似餌に次々に食いつきます。釣り針には返しがついていないので、カツオは釣られた勢いで後ろに飛んでいき、そのまま甲板へ。釣り針からカツオを外す手間がないので、1匹釣ったらすぐに釣り針を海にいれ、また次の1匹を釣ります。
まさに入れ食い状態ですが、カツオが釣れるのは長くても20分程度。そのあいだにいかにたくさんのカツオを釣り上げるか、そしていかに素早く次のカツオの群れに向かうかが腕の見せどころです。

1日釣ったらすぐに陸に戻ることもあれば、船で泊まりながら数日間釣ってから水揚げに向かうこともあります。漁場の位置、餌イワシの残量、魚の相場などを総合的に判断して、船の動きを決めるのは船頭です。

挑戦してこそ見える世界がある

2月はじめに高知を訪問し、それぞれの船頭さんに話を聞いてきました。
2隻を経営する中田勝淑社長と一緒に、まず訪れたのは福吉丸が停泊している奈半利（なはり）港。福吉丸の船頭、道脇 啓さんに会いました。カツオ漁はシーズンオフで、船の修理を終え、乗組員たちがペンキを塗ったりして過ごしていました。シーズン中に港で会うときは狩人のオーラを放っていますが、この時期はリラックスモード。そのギャップにちょっとびっくりしました。

道脇船頭がカツオ船に乗ったのは19歳のとき。お父さんが船頭をしていた船に、軽い気持ちで乗ったそうです。「啓はハングリー精神があって、いつか船頭をさせてみたいと思っていたんですよ」と中田社長は振り返ります。5年前にお父さんが船を下りることに。他にも船頭候補のベテランがいるなかで、「船頭をやらせてくれって、俺から船員みんなに頼んだんだ」と啓さんは言います。

第八日昇丸の船頭、岡本茂さんとは、次の日にLINE電話で話すことになりました。岡本船頭は高知県の西の端、大月町に住んでおり、船も隣町の土佐清水に停泊させています。

大阪でしばらく働いたあと地元に戻ってきて、1年くらい乗るつもりでカツオ船に乗ったら、やめられなくなってしまった。「カツオの群れを見たら鳥肌が立つよ。足が震えてくる。」と岡本船頭。

かつお一本釣り漁業でうれしいこと、面白いことはどんなことですか？と聞くと、2人とも「たくさん獲れたとき。他の船がとれないときに自分だけ獲れたとき。」自分だけが獲れればそれだけ相場も上がり、入ってくるお金も大きい。そういうときが一番達成感があるそうです。

新米のかつお一本釣り漁師はどんな楽しみがあるのでしょう？

「やっぱりカツオを釣り上げるのは面白いですよ。釣り竿から伝わってくる衝撃がすごいんです。」と中田社長。

「最初のうちは揺れる船のうえで二本足で立つのに精一杯。よっぽど凪の日はカツオ釣りをやらせるけど、エサのイワシを運んだり、カツオを運んだり、船の中での仕事がメインになるんじゃないかな」と岡本船頭。

「最初はなかなかみんなと同じ動きはできん。でも1年通してやればモノにはなるんじゃないかな」と道脇船頭。

「若い人には、ぜひ機関長や船長などの免許をとって、幹部になってほしい」と中田社長が話す中、船頭たちは「やってみないことには分からない」と、口を揃えて言います。

カツオの群れが海のあちらこちらではねていたり、イワシの群れが見渡す限り海を覆いつくしていたり、クジラが大きな口を開けていたり。漁師さんたちの話を聞いていると、スケールの大きさにワクワクしてきます。

「興味があったら乗ってみて」という船頭さんたちの言葉に甘えて、あなたも一本釣りの船に乗ってみませんか？

もしかしたら、2人の船頭のように、その魅力にやみつきになってしまうかもしれません。

2021年6月、高知と宮崎のかつお一本釣り船18隻は合同でMSC認証を取得。持続可能な漁業として国際的に認められました。